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№1145 考えよう、地球温暖化問題

№1145 考えよう、地球温暖化問題
 原発事故のためか地球温暖化問題はすっかり影を潜めてしまった。原発事故があっても、CO2の排出は続き、我が地球の気温は上昇を続けている。最大の排出国米国、中国の排出量は一向に収まる気配はない。いったいこのままでは人類はどうなってしまうのだろうか。

 地球温暖化が進み、地球規模で環境が破壊されてしまう。人類のせいで、北極や南極の氷がとけ、動物たちが追い詰められていく様はとてもつらい。日本だって、いろいろ変化している。最近の猛暑だって温暖化の影響がないとは言えない。少なくとも、このまま行けば、毎年毎年温暖化は進み、異常気象が発生する確率はどんどん高くなる。

 先日、農家の人に話を聞いたら、田植えの時期が早まっているそうだ。秋田の方では雪解け水が無くなることを心配している。私の近所でも昔はアブラゼミがたくさんいたが、いつのまにかクマゼミが優勢になっている。私が小学校のころ、凍てつく道路を歩く途中、水たまりに張った氷を踏んづけては遊んでいた。今ではそんな光景は滅多に見られない。

 このままで、いいんですか。

 このブログは中小企業法務のためのブログではあるが、実は私はこんなことも考えている。環境分野も私が取り組んでいる重要な分野の一つだ。興味ある人はどうぞ。

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 地球温暖化問題についてはCO2のせいではないというトンでも系俗論もある。しかし、産業革命以来の化石燃料大量消費文明化でCO2濃度が上昇し、さらには地球全体の気温が急激に上昇を続けていることは紛れもない事実だ。もちろん、科学は常に不確かであり、探求するべき課題は残っている。しかし、CO2削減の問題は科学的知見を基礎にした政治的決断であるため、確定的な判断は必要なことだ。

 こうした、科学的知見に基づいた明快な判断を行うため、国連は気候変動に関する政府間パネル(英語:Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC)を組織し、2007年には第4次報告書を作成した。この報告書は3つの作業部会に分かれ、それぞれ詳細な報告を行っているが、特徴的なことは気候変動を疑う余地のない現象としたこと、それが化石燃料燃焼という人為的な活動によるものであることを指摘した点だ。さらに、IPCC報告書は人類が選択する6つのシナリオを用意し、何もせず化石燃料の燃焼を続ける場合、徹底したCO2削減を行った場合のシミュレーションも行った。

 報告書は多岐にわたるが、たとえば海面上昇と顕著な現象の場合を考えると、その影響は非常に大きい。地球温暖化により海水が熱膨張し、海面が上昇する。IPCCは現状で化石エネルギー源を重視しつつ高い経済成長を実現する社会が続けば、0.26~0.59mの海面上昇が予測されるとする。「地域的な問題解決や世界の公平性を重視し、経済成長はやや低い(B2モデル)社会」となったとしても痕跡末には0.20~0.43mの上昇は避けられないと予想する。なお、この予想は氷などが急激に減少する場合の効果を除外している。

 地球規模で生じる海面上昇から我が国も逃げることはできない。地球温暖化による海面の40cmの上昇は気圧40hPa(ヘクトパスカル)の減少による潮位の上昇に相当する。この気圧は大型台風の気圧に相当する。こうした海面の上昇は埋立地に多い0m地帯を浸水の危険にさらすことになるだろう。また、台風に際しての高潮被害の増大も招くことになる。

 ところで、高潮被害は台風などの低気圧による海水面の上昇に加えて、暴風によって海水が吹き寄せられて海面が上昇することによって生じる。海面が上昇して防波堤などを突き破り、海水が大量に陸地に押し寄せてくる。こうした被害はある意味津波被害に似ている。上記のように温暖化による海面上昇によって当然高潮被害は増大する。そればかりか、地球温暖化によって台風そのものも大型化することになる。近時、世界規模で異常気象が起こり、歴史的に経験のない大きなハリケーン被害が生じているが、こうした異常規模台風が起こる確立が時間を経るに従って多くなり、大型化するのである。