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№1132 社長の生き甲斐、自らの価値を組織の成果に変える

№1132 社長の生き甲斐、自らの価値を組織の成果に変える
 ドラッカーの本はどれもけっこうボリュームがあるので中々読めない。あんちょこだが、「ドラッカー名言集」(ダイアモンド社)を時々読んでいる。これは英語の原文も掲載されているので、真意を探る上では助かる。ドラッカーの言葉は抽象的部分があるので、訳部分に訳者の主観が入り込む可能性がある。原文で確かめると何となく安心する。

「自らの強みであれ他の者の強みであれ、人の強みを生かす者は、組織としての成果と一人ひとりの人間の自己実現を両立させる。自らの知識が組織の機会となるように働く。貢献に焦点を合わせることによって、自らの価値を組織としての成果に結びつける。」

”The executive who works at making strengths productive / his own as well as those of others / works at making organaizational performance compatible with personal achiement. He works at making his knowledge area become organaizational opportunity. And by forcusing on contribution, he makes his own values become organaization rezults. "
 
 この意味は非常に深い。おそらく、社長もしくは幹部として組織を作り、動かしている者であれば実感できるのではないだろうか。社長が時々「俺の会社」と呼ぶが、それは単に株主としてオーナーになっているからではない。組織の成果(organaizational performance)と自己実現(personal achiement)とを両立させる。

 自分の精神や意思が組織に伝わり、組織が動き、成果を生み出していく過程が「俺の会社」と呼びたくなる部分なのだろう。もちろん、いつまでも「俺の会社」と言って、組織の自律を殺してしまう愚かな社長もいる。

 ともかく、すぐれた経営者は自分の知識の獲得や広がりがそのまま組織の機会や成果に結びついている。経営者が勉強することや、人間関係の形成すること、人格的な向上が組織の維持、充実、発展に直結している。だから、経営者はよく勉強する。それは経営者の自己実現ばかりでなく、組織に対する義務でもあったりする。

 "He works at making his knowledge area become organaizational opportunity. " 自らの知的領域の形成が、組織の機会、チャンスとなるよう働く。

 "he makes his own values become organaization rezults." 彼自信の価値が組織の成果とつながっていく。

 これは知的領域という広大な大空に羽ばたき、高く昇れば昇るほど、大きな世界を俯瞰できる作業に似ている。知識を積み上げれば積み上げるほど、組織は強く大きくなり、その高見から俯瞰できる世界が広がっていくのを自覚していく。こういうことがあるから社長はやめられない。