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№1035 童話の世界

№1035 童話の世界
 だんだん年をとってきたせいか,最近,赤ちゃんがとてもかわいい。だっこしてみたいという衝動にかられる。孫が欲しいって? 自分の子供が欲しいという訳でもないのでそうかもしれない。人間が赤ん坊や子供をかわいいと思うのは本能としか説明しようがない。考えてみれば,生物のあかちゃんはたいていかわいい。親に見捨てられないように彼らなりに進化を遂げている。

 ひーちゃん,はーちゃん,なーちゃんがまだ幼かった頃,彼らが眠る前に私は毎晩のように「お話」をしたことある。これは,私が適当につくったでたらめのお話で,たいていは動物のお話か,冒険物語だ。いろいろシリーズがあったが,その場で思いつくでたらめのお話でほとんど覚えていない。

 海賊の話だったり,宇宙船に乗ったり,らくだに乗ったり,適当な乗り物に乗って,旅に出て怪物が出てきたり,自分が消えてしまったり,鳥に変身してお父さんやお母さんが歩いているところを空から見たり,いろいろだ。

 「なーちゃんの大冒険のお話をしてあげよう。」「あるとき,なーちゃんが旅に出ました。」「うーん,何に乗りたい?」「らくだがいい!」「じゃあ,らくだにしよう。」「らくだにはこぶが3つありました。それに,ひーちゃんとはーちゃん,なーちゃんが乗っていました。」

 話のネタがつきると,適当な話をパクっていた。
 たとえば,あるお話は鳥の会議から始まる。鳥の中で一番偉い者は誰かというので,一番すてきなお話をした者が偉いということにしようということになった。いろいろな鳥が進み出てお話を始めるのだ。知っている人は知っているが,中勘助の「鳥の物語」をそのまま使っている。中身はかなり違う。ヒマラヤの最高峰をこえるツルの話だったり,海のお話だったりした。中国や日本の古典をたどる中勘助には遠く及ばない。

 あるときは美術館のお話をしたことがある。子供が美術館にはいって,不思議な絵を順番に見ていくという趣向だ。飛行船の絵を見た子供がその絵の中に入って冒険をする。動物たちのパーティーの絵があってその中に入っていく。子供たちは眠くて,途中で寝てしまうのでお話は絶対に最後まで行かない。

 私はアンデルセンの「絵のない絵本」が大好きで,そこからもいろいろもらった。月とお話をして,月が見た世界各地のいろいろなお話をするというものだ。寝る前に話してやるお話だからいいかげんだ。ほとんど覚えていないアンデルセンの物語を適当に作り変えたり、足したりして子供に話してやった。

 それでも子供は喜んで「お話しして」といつも言われたものだ。あんなにせがまれていたのだが,子供たちはほとんど覚えていない。