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№974 あなたの顧客は誰か?

№974 あなたの顧客は誰か?
 「マネジメントⅠ」日経BPより

顧客は誰か?

 顧客は誰かという問いは、単純そうに見えてそうではない。ドラッカーは「熟慮」が必要だという。

 顧客は決して消費者ばかりではない。米国カーペット業界はマイホーム購入者ばかりでなく、ハウスメーカーも顧客であることを発見した。マイホームの床材としてカーペットを売り出した。そこで、ハウスメーカーの要求、つまり施行が容易で、マイホーム購入者の需要も満たす事業形態を生み出していった。

 「IBMがコンピュータ業界に君臨してきた理由は、製品を売るためには、顧客企業の内部の全く異質な人々に購入意欲を持ってもわなくてはいけない、と早い時期に気づいた点にある。」「IBMは当初から、これらすべての層に売り込みを行い、各層が何を探し求め、何を知りたいと考え、何に価値を置いているか、どうすればそれぞれに訴えかけられるか、などを徹底的に考えてきた。」


顧客はどこにいるか?

 社会情勢によって顧客の質が変化するとともに、位置も移動する。
 「シアーズ1920年代に大きく飛躍したが、その秘密のひとつは、かねてからの顧客の居場所が変わったという気づきを得たことにある。農民が自動車を手に入れ、町まで買い物に行く時代が到来したのだ。」「これによりシアーズは」「店舗の立地こそが事業の鍵を握り、『自社の事業は何か』に答えるうえでの大きな要因であると見抜いた。」


顧客にとっての価値は何か?

「企業の目的と使命を考えるうえで必要な最後の問いは、『何が顧客にとっての価値か』である。これはおそらく最も大切であるにもかかわらず、滅多に浮かばない問いである。」
「10代の少女にとっては、靴の価値はファッション性にあるだろう。流行っていなくては意味はないのだ。価値は二の次、耐久性にいたってはまったく価値を持たない。」
ゼロックスが繁栄したのは主として、顧客がコピー機ではなくコピーに支払う対価を価格と位置付けたからである。」「顧客が求めるのは、コピー機ではなくコピーである。」