名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№956 大切なこと

№956 大切なこと
震災から1年。あんなにも大きなできごとだったのに私は取り残されたような気持ちでいる。震災直後のボランティアに参加したわけでもなく、その後の支援活動にも何一つ参加していない。原発には反対がだが、とりたてて活動したわけでもない。世の中は常に動いていて、おおきなうねりになる時期というのがある。そんな時に、そんな時にしかできない仕事をするのは人の務めのような気がしていて、今のこの時代に何もしていない自分は時代に取り残されているのだというような罪の意識や、忸怩たる気持ちがある。

 いったい、私が、私の事務所が社会に貢献するというのはどういことなのだろうと考える。震災以降、「絆」という言葉が使われるようになり、個人はもっと社会とつながるべきだという意識が強まっている。愛の意味も具体的に考えられるようになった。そんな中、私は社会はもっと小さくてもよいと思うようにもなった。それは人のスケールにあった社会のあり方が大切だということだ。歩いて全ての用をたすことができ、人の顔を分かり、時間の流れを楽しむことができ、誰もが誰もを労わることができるそういう社会がよい社会のように思える。私の事務所はそのような社会を作るために活動するべきではないだろうか。

 もちろん、グローバリゼーションは日々進行し世の中は小さな社会など眼中にないのかもしれない。しかし、世界のあらゆる場所で大きなグローバリゼーションに対し、小さな社会を大切する取り組みが存在する。そうしたとりくみは国際的な連携を作っている。私の事務所はその一つでありたいと思う。そのことが、震災や原発事故で私が学んだ教訓だ。

 どんな決意も動かなければ決意とはいえない。時代には取り残されているかもしれないが、時代の教訓を学び取って生きていくことはできる。長い時間をかけて、この震災や原発事故が事務所を大きく変えたということになればよいのかもしれない。