名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№947 ソロモンの宝物

№946 ソロモンの宝物
 ソロモン諸島へは地球温暖化問題に関する取組のために行きました。海面上昇のために小さな島がだんだん消えていくことには驚きを隠せませんでした。環境保護運動も企業活動も実はとてもよく似たところがあります。それは社会が求めているものを見いだし、社会に供給していく、うまくマッチすれば環境保護運動は前進し、組織は大きくなります。

 環境保護運動は地元の小さな運動からグローバルな展開を図る運動まで様々なありますが、すぐれた運動は常に世界の大きな動きを意識します。国際社会は常に動き、新しいものを求めています。その世界史の大きな潮流の中で自分たちの位置付けを見いだし、自分たちの正しさ、確信を作り上げていきます。

 これは事業も同じです。自分のやり遂げようという分野から世界史を照らし出し、やるべきこと、事業の社会貢献の方向を作り上げます。

 例えば、経済社会が「持続性」を見いだすために、資源の持続的利用を見いだそうとしているとき、環境問題や省エネルギー対策は不可避的に起こります。部品の軽量化は世界史に関わって初めて理解できるものです。

 あるいは経済の発展の最終課題は国民の幸福にあります。発展する中国は国民の幸福の有り様を求めています。「豪奢」だけが幸福の基準となるかは問題かもしれません。中国国民が求める商品の質には単に日本の精緻さだけではく、日本の文化だけではなく、中国国民が求める幸福の質が求められる気がします。それは、中国が向かう歴史的な方向に深く関わる問題だろうと思います。

 このように自分たちの事業は社会に受け入れられている限り、世界史のどこに関わっているのだろうと思います。そこを見つけ出せるかどうかで事業の展開のスケールも深さも代わってくるのではないかと思います。

 環境保護運動と事業との共通性はマネジメントにあります。
 どんな立派な言葉でも現実を動かさなければ意味はありません。ドラッカーの言葉を借りて言うなら、マネジメントはあらゆる分野で必要なものであり、企業はマネジメントとしては最も成功している組織であるということなのだそうです。組織が社会を反映し、社会の必要に応じて、つまり貢献して発展していくためには現実との接点を持って現実を動かす組織的な操作、すなわちマネジメントの優劣が鍵を握ります。

 今回、ソロモンツアーでは土日を入れると9日間仕事を休んだのですが、なんだか私の人生でも久しぶりの大きな区切りになりそうです。これまで当事務所が手がけてきたいろいろなこと、環境問題、中小企業問題、市民社会の権利の問題、いろいろ統一できて、さらに大きくできそうな予感がします。