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№945 ばあさんの教訓

№945 ばあさんの教訓
 うちのばあさんは今年で80歳になる。籠橋家では生きたご先祖として毎週ご機嫌うかがいをし、同じ話を聞いている。時々、話を聞きながら眠くなるので眠りながら聞いている。ばあさんはそんなことはお構いなしに話し続ける。

 さすがに80歳になるとどこに行くもおっくうなようだ。去年までは中国に行くようなことも言っていたが、いまでは近所のスーパーに行くのがせいぜいで家でじっとしているらしい。それでも、先週などは女学校の同窓会があって、名古屋から岐阜県多治見の宴会場まで一人で行ったと言うから元気だ。

 80歳のばあさんたちの同窓会とはどんなのだろう。想像もつかない。ばあさんの話によると近所の悪口や嫁の悪口をみんながてんでに言っいて、ぜんぜんまとまりが無かったらしい。

 「亭主のいない人手をあげて」「はーい」なんて不謹慎なことをやって、「みんな女学生みたいになって・・・」はしゃいでいたらしい。

 女学生にもどってしまったばあさんたちにじいさんたちはさぞかし安心しているだろう。
 そんなに悲しまないでとは死者の言葉だ。しかし、その言葉にはこの世に対する未練、執着が込められる。残る者も、死んでしまった者にもこの世の執着が悲しみを生む。

 じいさんたちの死をかくも軽く扱っているばあさんたちだが、死を美しく迎えるためには死を軽やかに受け入れるだけの覚悟が必要だ。しかし、100歳までにはあと20年もあるけどね。ばあさんも「こんな生活してたら100まで生きてまうでかんわ(100歳まで生きてしまうからいかん)。」と言っている。


  地獄八景亡者の戯れ(桂米朝)1 → http://www.youtube.com/watch?v=5ocuwBy5sqo