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№783 困った従業員

№783 困った従業員
 どの会社でも1度ぐらいは困った従業員に苦労する。1度ぐらいと言っても、従業員は長く勤務するので何年も困った状態が続く。「あの時は本当に苦労した。選ぶときにきちんとせんといかん。」というのが困った従業員を経験した社長たちの共通の感想だろう。

 最近も偶然か困った従業員の相談が重なった。

 店舗を任されたこの従業員は、店長であるために監視が及ばず、業務中、会社のパソコンを使って内職をし、さらに、困ったことに内職の相手方は取引先だったのだ。取引先から内職の話を聞き、社長としては恥ずかしいやら、怒りが湧いてくるやら、だったという。

 この従業員はさらに困ったことに、社長や会社幹部が監視に訪れることに、平然と迷惑だと進言するようになる。周りの社員にも社長は商売の邪魔をしにくると言わんばかりのメールを送る、さらには私たちには労働基本権があるから立ち上がろうなどと言い始める。意見表明をするのは自由だが、社内メールを使って勤務中に行うのは本当に困ったことだ。
 
 ある会社では、攻撃的な社員に困っていた。
 この社員は断固たる自己主張と、思いやりを欠くことと勘違いしているらしく、職場で容赦の無い意見表明をする。特に困るのは上司だ。上司が何かすると、そんなことではうまくいかないとか、消極的なことを言う。まわりの人はその攻撃性だけで気持ちが萎えてしまい、意見を言う気がなくなるらしい。

 その上、職場ではやむなく、配置換えをするのだが、配点先でも繰り返される。社長が聞き取りをすると箸の上げ下げにもあなたにはプロ意識がないという感じで、上司としてはすっかり気持ちが落ち込み、職場に行く気にもなれず、困った社員の顔も見れない状態になった。

 ある意味、狭く密室的な中で小姑のように攻撃するタイプの人間は最も質が悪い。証拠としてエピソードを提示しにくいからだ。モラハラと呼ばれる労働問題はこうした中で起こる。社長もどこを問題として提起していいか分からず、困ったことになる。