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№750 俺の尻をなめろ!

№750 俺の尻をなめろ!
 「俺の尻をなめろ」とは、モーツァルトの超お下品カノンだ(K231)。歌詞が余りにも下品なので、差し替えられているという。このままでは公刊できないというぐらい下品なので「超」を付けた。差し替え前がどれくらい下品か知ってみたかったが、調べても分からない。しかし、音楽は超美しい。う~、ちょっと退屈。

 映画アマデウスモーツァルトの才能に嫉妬するサリエリさんを主人公に描かれている。あのような神に近い音楽が、どうしてこんな、下品でバクチ好きの男から生まれてくるのだ、とサリエリは悩んだ。モーツァルトの死についてはサリエリ毒殺説もまことしやかに語られている。

 モーツァルトの下品な人格像というのは、神の音楽に対比されておもしろいということで、ずいぶん出回っている。実際、モーツァルトの品のなさは、そんな手紙を書いていたことで有名だ。ゲゲッって感じだ。 

 手紙には「あなたの鼻に糞をします」「ウンコで君のベッドをきしませるぞ。僕のおしりが火事になった!どういうこと!知ってるぞ、みえるぞ、なめてやろうか、ん、何だ?-ウンコが出たがってる?そう、そうだウンコだ」などの記述がいっぱいある。モーツァルト擁護者によると当時は一般の人も普通にうんこをギャグにつかっていたらしい。

  「俺の尻をなめろ」"Leck mir den Arsch"といのは、とても美しいカノンで、なんでこんな題がついているか分からない。もっとも、「俺の尻をなめろ」とは普通に使われていた言葉で、「消え失せろ」とか、「くそくらえ」ぐらいの意味だったようだ。マルチン・ルターも悪魔に向かって、「俺の尻をなめろ」と言ったらしい。考えてみれば、「くそ食らえ」だって、英語やドイツ語訳するとすこぶる下品だ。

 人間の人格は全てで優れているわけではない。モーツァルトは音楽に卓越した才能を発揮した。神の領域の美しさを感じる感性を持っている。だからといって、人格的に全て美しいわけではなさそうだ。しかし、取り繕う偽善者より、不完全でもわかりやすい人格の方が好かれる。