№682 事業再生のための諸手続
法的手段は債務整理の最終手段です。
法的手段は債務整理の最終手段です。
大きな債務が経営上の重荷となって事業が立ち行かない場合については法的手段による整理も検討する必要があります。この場合に、営業利益が生み出されていることが必要です。つまり、どのような部門でもよいのですが、利益を生み出す事業をまず選択します。この利益を生み出すというのは粗利から管理費などを差し引いた営業上の利益です。
その上で、選択した事業が生き残るために必要な法的手段を選択します。
この場合、事業を切り離すのですが、その結果生じる信用の低下なども当然考慮に入れます。社長の人脈や、当該事業の性質から顧客が逃げられない場合(例えばコンピューターのネットワークを管理しているなど)などもあります。
法的手段は任意整理、破産、民事再生、事業譲渡、事業分割と方法は限られています。破産はそれで全て終了するのではなく、事業再生の一手段と位置づけられる場合があります。たとえば、採算部門の事業を譲渡し、残った会社は破産させて債務を消滅させる場合などは、事業再生のために積極的に破産手続きを活用する場合に相当します。
以下は法的手段を検討する場合の注意する点ですが、このうち、公租公課はもっとも重要です。公租公課は何よりも優先する債権で、しかもすぐに執行できます。早ければ1日か2日で支払いを命ぜられます。しかも、売掛金などはいったん全額押さえることもできるのです。
私の依頼者は民事再生を別の弁護士に依頼していたのですが、この弁護士は再生手続き中でも税金については差し押さえ可能であることを忘れていたか、知らなかったか検討していませんでした。そのため、民事再生申立後、売掛金を差し押さえられてしまい、再生手続きは失敗してしまいました。
□ 法的手段を検討する場合の注意事項
① 公租公課など含めて当面の支払いを会社、社長個人と分けて整理する。
② 支払い原資を検討して、当面の支払いの順序を決めておく。
③ 現金を確保する。
④ 社長の生活費、法的手段の費用を必ず確保する。
⑤ 倒産後の事業形態について計画を立てておく。
⑥ 早い段階で弁護士との相談を始め、整理の次期、事業発足の時期を確定する。
① 公租公課など含めて当面の支払いを会社、社長個人と分けて整理する。
② 支払い原資を検討して、当面の支払いの順序を決めておく。
③ 現金を確保する。
④ 社長の生活費、法的手段の費用を必ず確保する。
⑤ 倒産後の事業形態について計画を立てておく。
⑥ 早い段階で弁護士との相談を始め、整理の次期、事業発足の時期を確定する。