この人はメガバンク出身の金融コンサルだが、中小企業のことをよく考えていて大変参考になる。紹介事例が具体的でおもしろい。著者自身はできるだけわかりやすく具体的に記載しようと心がけているだろうが、専門性はかなり高い。
通常の人でも具体例を中心に読めば少々読み飛ばしてもためになる。私のように仕事として金融問題を扱わなければならない者にとっても、大変勉強になる。金融情勢の読み方、金融検査マニュアルのような金融政策の理解のしかた、その応用が示されている。
「中小企業経営者は、銀行の変化をよく認識した上で、銀行とのパイプを確保しておく必要があります。自分の会社は自分で守らなければなりません。」
「銀行が自発的に動かなくても企業経営者が銀行を動かすことはできます。・・・経営者が自社の立場を明確に主張することに対し、銀行はこれを撥ねつけるわけにはいきません。」
「これからは『モノ言わぬ経営者』よりも、よく勉強して、はっきりと『モノ言う経営者』が好感を持たれ、資金調達を円滑に受け入れられる時代であると思います。」
著書は長期事業計画の策定が必要であるという考えが全体のベースになっている。その上で、自社の展望を切り開くことができる、積極的な債務対策戦略を組み立てることができると考えている。経営計画作成のプロセスは次の通り。
① 自社の現状を正しく認識する。
② 事業内容、財務内容、収益の三分野から重要点をまとめる。
③ 経営環境の変化を予測する。
④ 社内での行動計画を作成する。
⑤ キャッシュフローを確認する。
⑥ 経営管理を徹底する。
⑦ 継続的に計画の進捗状況を報告する。
① 自社の現状を正しく認識する。
② 事業内容、財務内容、収益の三分野から重要点をまとめる。
③ 経営環境の変化を予測する。
④ 社内での行動計画を作成する。
⑤ キャッシュフローを確認する。
⑥ 経営管理を徹底する。
⑦ 継続的に計画の進捗状況を報告する。