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№581 祇園精舎の鐘の声

№581 祇園精舎の鐘の声
 
 臣安万侶まおさく、いづれの御時にか、山路をを登りながら、こう考えた。国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。つれづれなるまゝに、日暮らし、祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり。月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。この道はいつか來た道、ああ、さうだよ、あかしやの花が咲いてる。春はあけぼの、行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。神は「光あれ」と言われた。すると光があった。そういう人に私はなりたい。