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№536 葛飾北斎「百物語」

№536 葛飾北斎「百物語」
 画狂人北斎は何でも描く。美人画、風景画、仮名本の挿絵と多彩だ。北斎漫画というものある。その驚くべき探求心は「狂人」に相応しい。
 
 天井絵は傑作中の傑作だ。 中でも「八方睨み鳳凰図」はすごい。鳳凰の目が天井からぎょろりとにらむ様子に,思わず「ごめんなさい」と謝ってしまいたくなる。
 
 
 富岳三十六景、諸国滝廻り、富岳百景といろいろ風景画を描いている。どれも奇抜な構図で、さすが狂人だけのことはある。
 
 グーグル画像で「葛飾北斎」を検索すると、さらにいろいろ出てくる。北斎はたくさんの春画も描いている。浮世絵特有のビッグなウタマロには圧倒される。
 
 
 北斎の絵の中で私のお気に入りはなんと言っても妖怪、幽霊のたぐいだ。北斎は百物語を題材に幽霊をたくさん描いている。百物語というのは「日本の伝統的な怪談会のスタイルのひとつである。怪談話を100話語り終えると、本物の怪が現れるとされる。起源は不明である。」(Wiki)ということらしい。
 
 その中でも「こはだ小平二」、「さらやしき」は大好きな作品だ。精密な絵に北斎らしい緊張感があり、人を驚かす構図は画狂人の面目躍如だ。私は学生のころ下宿の入り口にこの2つの絵をカラーコピーして張っておいた。夜中に帰ると、小平二と小岩さんが私を出迎えてくれ、2人の幽霊に私は心から友情を感じていた。