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№481 TKCコンピューター会計システム

№481 TKCコンピューター会計システム
 私は亡父が税理士であった関係から税理士資格を持っている。父がTKCの熱烈支持者だったこともあってTKCの会員にもなっている。そのため、TKCセミナーにも参加することがある。
 
 TKCはテレビでも宣伝しているから全国的に有名になっているが、その意味はどうも「栃木県計算センター」の頭文字をとったもののようだ。創始者飯塚毅さんが栃木から始めて、全国に普及しているらしい。特定の理念とシステムを掲げて組織を拡大している。なんだか公文式とよく似ている。
 
 ただ、創始者が仏教や哲学をよく引用することからか、傾向が強くて何か特殊な世界に入っていく気がしてしまう。
 
 ともかく、TKCには学ぶべきところが多い。
 私が一番関心があるのは、TKC会員の会計士としての「質」の向上を目指すシステムだ。コンピューター会計システムを導入していることや、管理会計を進めようとしている、巡回監査を導入しようとしていること、いろいろある。
 
 税理士も弁護士と似ていて、専門知識が常に求められる。独立、自律性も高い。そうした独立性の高い人たちの質を維持することは単純にはいかない。研鑽に向けた意欲を引き出すことが他の職業に比較して特に求められるだろう。
 
 私たち弁護士は人権擁護と社会正義を掲げて活動する。私たちの活動分野は企業の経済活動をサポートする業務にとどまらない。困っている人たちが法の正義によって助けられることが私たちの喜びである。良い弁護士とはこうした活動に対しても情熱をもつことができる弁護士である。弁護士の意欲はこうした活動をも引き出すものでなければならない。
 
 理念は誰でも語れる。
 極端なことを言うと、弁護士でなくても弁護士の理念を語ることができる。
 しかし,実践的課題,実務的能力は弁護士しか教えられない。弁護士に求められる高度な知識や、訴訟技術、交渉技術などは弁護士固有のものだが、ここを鍛えて「質」を高めるマネジメントが必要だろう。税理士と弁護士とは違うがTKCはこの点でも参考になる。