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№431 芽が出てきたぞ 不況をふきとばせ!

№431 芽が出てきたぞ
 とんでもない金融不況のためにお先真っ暗な毎日が続いている。が、真っ暗の中でこそ、社長の真価が発揮される。昼あんどんと呼ばれた大石内蔵助が、お家の危機にあって目覚めたようなものですな。

 不況下で自社でやることは決まっている。①経費を節減して無駄を無くす、②雇用調整助成金などの補助金を獲得する、③金融と交渉して当面の支払いを何とかする、④社員の動揺を防ぐために苦しいながらもリアリティある展望を示して、社内の団結を確保する。

 しかし、仕事の絶対量が少ないのだからどうしようもない。この仕事の絶対量をいかに増やすかが、社長の力量の見せ所だ。最近、何人かの中小企業の社長と話していると、あちこちで徐々に芽が出ているように思える。極端な不況下にあっても、それなりに「芽が出てきた」会社がある。

 そうした会社に共通することは、社長が事業の最前線、つまり、「仕事の獲得」の最前線に立って、自ら行動するという点だ。普段だったら「営業」に任せた分野にも社長が前線に立って陣頭指揮をする。商品の販売でも社長が前線に立って、顧客と切り結ぶ。創業時の原点に戻り、顧客との呼吸の中で価格設定を見直していく。等。

「それまで部下にまかせていた仕事を、私が直接お客さんのところに行って、引き受けてきたんです。そうすると、お客さんも喜んでくれるんですね。それで、また、まとまった仕事をくれるようになるんです。」

「いままで、価格で競争しないという方針でした。しかし、ここへ来て、顧客の様子を見て、価格を下げてみたんです。そのせいか、分かりませんが、2月は忙しくて、仕事がうまる様になりました。安くしたので、儲けになるかどうか分かりませんけどね。」

 仕事量が激減し、多くの社長が苦しんでいる。しかし、少なくない社長たちは創業時の苦しさをもう一度思い出し、創業時に顧客を開拓した喜びを思い出し、気概を取り戻して前線に立ってがんばっている。そうした会社がうまくこの不況を切り抜けようとしている。