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№412 経営指針発表会(中小企業紹介)

№412 経営指針発表会(中小企業紹介)

 経営指針発表会というのは聞き慣れない言葉かもしれない。

 今日は、ある企業に招かれて経営指針発表会に出席した。この会社は高級家具を製作する工房を経営しているが、近時の大不況の影響で苦戦している。そんな中での経営指針発表会だから、どんな風になるのか興味津々だった。

 経営指針発表会というのは会社の経営指針を文字通り発表するものだが、普通は社長が発表する。この会社の特徴は社員の持っている今年の方針もあわせて発表させた点だ。会社には4つのチームがあってそれぞれ「アメーバ」を意識して組織されている。そのアメーバごとに方針を持ち発表するのだ。

 もちろん、家具の職人ばかりだから気の利いたことは言えない。人前で話すことだって緊張する。立派な大学を出て大企業でプレゼンを鍛えられている人ならどうってことない発表も、普通の人が発表すれば大変な緊張だ。まして、口よりも技術と考えている職人となると大変だったろう。

 聞いてて、報告者の緊張が伝わってくる。その緊張がとても素朴で、この社員は信じれると感じさせた。彼らにとってもともかくも前向きな姿勢を作れたのではないだろうか。「今年は無駄のないようにしたい。」「今年は技術レベルを上げたい」「チーム一丸となってやっていきたい」。

 ありきたりの言葉だが、彼らが言うと真実だと実感する。不況の中、企業の成績が落ちていることは彼らは仕事上身をもって感じていることだろう。それが、ともかくも前向きな言葉を発することで、前向きでなくっちゃ、みんなでがんばらなくっちゃと思うだろう。不況下、社員が不安を抱える中、今回の社長のもくろみは成功したかのように見えた。