№384 社員が社長を変える。
社長が変われば会社が変わる。会社を変えるためにはまず自己変革が必要だ。これは常識だ。社員にいくら厳しくても自分がおかしければまともに行くはずがない。
ところで、今日、ある会社のナンバー2の人、Aさんと話していたら、逆もあるということだ。社員が変われば、社長も変わり、会社も変わっていく。
つまり、こうだ。
この会社は社長に問題があった。それまで、社長の上に会長がいて、会社がうまくいっていた。しかし、会長がしりぞいたために、社長の経営能力が実際に試されるようになったのである。
Aさんはこの会社でいいのだろうかと本当に悩んだそうだ。しかし、まずは積極的に社長に接触していこうと考えた。あいさつから始まり、社長に対して前向きに接していったそうだ。
そのうちに、社長は変化し、徐々に話し合うようになった。そして、今では社長と会社の将来ビジョンまで話し合うまでになっているということである。社長は、それまでと違って、一生懸命働き、自分も社長のために働きたいという気持ちになっているという。
会社がおかしければ、社員が変える。社長は度量に欠けるかもしれないが、そのときは社員が補い、社長を変える。企業という組織が健全に機能するためにはこうした、本当の意味での愛社精神が必要だ。
私は、Aさんに、何で仕事を辞めなかったんですかと尋ねた。彼は、今まで一生懸命仕事をしてきて、ここで社長を捨て、会社を捨てれば自分の仕事ばかりでなく、自分を捨てる事になるというのである。
社員が変わって社長が変わるという例もあるんですね。
私の事務所ではかねがね、弁護士を育てるのも事務員の仕事だと言っている。社長を育てるのも社員の仕事であるということも言えないだろうか。