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№381 中小企業白書 苦しくてもがんばろう 企業紹介

№381 中小企業白書 苦しくてもがんばろう 企業紹介
 ブログネタに困る時、眺めているが中小企業白書だ。
 ここにはいろいろおもしろい企業が紹介されている。大不況のまっただ中であるが、2009年中小企業白書は何とか中小企業を応援したいという気持ちが出ている。大企業も最初は中小企業だった。何度も不況を乗り越え、今日に至ったのだ。
 以下は、2009年中小企業白書から。リーマンショックを受けた日本経済の中でいかに中小企業が生き残るかという視点で編集されている。

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産業史を彩る中小企業のイノベーション
戦後復興の時代、ソニー株式会社、本田技研工業株式会社等の製造業者が中小企業として創業し、高度成長期や安定成長期には、セコム株式会社等の新たなニーズに対応したサービス業も興隆し、今では我々の身近な商品・サービスとして定着したものには、中小企業が生み出したイノベーションが数多い。ここでは、いくつか象徴的な事例を紹介する。
<事例>
ソニー株式会社: トランジスタラジオ、ヘッドホンステレオ
ソニー株式会社(従業員180,500 名、売上高8 兆8,714 億円※1)は、1946 年、東京通信工業株式会社として、資本金19 万円、従業員約20 名で創業した。「人のやらないことをやる」というチャレンジ精神のもと、小型トランジスタラジオやヘッドホンステレオの「ウォークマン」など、数々の日本初、世界初の商品を生み出し、「SONY」のブランドを世界中で確立した。

本田技研工業株式会社: 自動二輪車スーパーカブ
本田技研工業株式会社(従業員178,960 名、売上高12 兆28 億円※2)は、1948 年に創業し、自動車補助エンジンの製造から事業を始め、自動二輪車に参入し、ロングセラーとなる「スーパーカブ」などヒット製品を次々と生み出した。1960 年代に四輪車に参入し、世界各国で事業を展開し、グローバル企業へと成長した。

○セコム株式会社: 警備保障サービス
セコム株式会社(従業員47,018 名、売上高6,826 億円※3)は、1962 年に、我が国初の警備会社である日本警備保障株式会社として設立された。創業の社名にある「警備保障」という言葉は、火災や盗難などの警備を請け負い、事故が生じたときには損害を賠償する仕組みを意味する言葉として、今では広く用いられているが、元々は、同社がその設立に当たり、安全保障の「保障」と損害補償の「補償」の二つの意味を込めて作った造語である。同社は、東京オリンピックの選手村の警備(1964 年)や、テレビドラマ「ザ・ガードマン」(1965 年)を機に大きく飛躍し、現在ではグループ全体で、事業所約80 万件、家庭約40 万件と契約する大企業へと成長した。

○株式会社明光商会: シュレッダー
株式会社明光商会(従業員280 名(単体)、資本金35 億1,000 万円)は、1960 年にシュレッダーを世界で初めて開発した企業である。同社は、当初、現像液を販売する中小企業であったが、「やがて企業が機密書類の保管に困る時代が来るはず」という問題意識の下、立ち食いそば屋で「紙もうどんのように細長く切れば読めなくなる」とシュレッダーの原理をひらめき、シュレッダーを商品化した。その後、機密情報の管理への社会の意識が高まり、シュレッダーへの需要は増加。現在、同社は、「国家機密から心の秘密まで」をキーワードに、アメリカ国防総省への納入実績を持つ、シュレッダーのトップ企業として活躍している。

○東洋自動機株式会社: レトルトカレーの自動充填包装機
東京都港区の東洋自動機株式会社(従業員188 名、資本金2 億4,500 万円)は、自動計量機・各種包装機等の開発、製造、販売を手がける中小企業である。レトルト食品等の自動充填包装機を開発しており、1969 年に全国販売された日本初のレトルトカレーの開発に携わった。近年は、液体ゼリースパウトと称される口栓付の新型パッケージの充填包装機でも高いシェアを誇る。

○鈴茂器工株式会社: 寿司ロボット
東京都練馬区の鈴茂器工株式会社(従業員235 名、資本金5 億7,120 万円)は、寿司ロボット等の米飯加工機などの製造販売を手がける企業である。国の減反政策をきっかけに、我が国の米飯文化を活性化させたいと一念発起し、1977 年に米飯加工機の開発に着手、1981 年には我が国初の寿司ロボットの開発に成功した。1987 年には、大手ハンバーガーチェーンと共に「ライスバーガー」を商品化した実績もある。現在、同社は、「米飯主食文化を世界へ」を企業理念として掲げ、グローバル展開に取り組んでおり、各国の食の嗜好に合わせて、米飯加工機もカスタマイズするなど、創意工夫を重ねている。

○株式会社ソクハイ: バイク便
株式会社ソクハイ(従業員197 名、資本金1 億1,850 万円)は、自動二輪車を利用した宅配便であるバイク便のサービスを提供する中小企業である。1982 年、ニューヨークのメッセンジャー(自転車を利用した宅配便)を見て、アイディアをひらめき、日本で初めてバイク便の事業を開始した。東京は、ニューヨークと異なり、丸の内、新宿、品川というようにビジネス街が何カ所にも分散しているため、自転車よりも自動二輪車の方が適切と考えたという。バイク便は、渋滞下でも迅速に書類等を配送できるため、スピードが重視される現代のビジネスに欠かせないサービスとして定着している。
※1 2008 年3 月31 日現在の連結従業員数と、2007 年度連結売上高。ソニー株式会社のホームページ(http://www.
sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/)より。
※2 2008 年3 月期の連結の従業員数と売上高。本田技研工業株式会社のホームページ(http://www.honda.co.jp/guide/
corporate-profi le/index.html#consolidated)より。
※3 セコムグループの2008 年3 月31 日現在の総グループ社員数と、2008 年3 月期の連結売上高。セコム株式会社のホー
ムページ(http://www.secom.co.jp/corporate/outline/about.html)より。