№374 日本気候リーダーズ・パートナーシップ
鳩山内閣は国連気候サミットで、我が国の中期削減目標として1990年比25%を掲げた。それまでの自民党政権に比較すればこの数値は実に画期的な数値目標と言える。世界は賞賛し、私は日本がようやく世界の人々とつながったと実感した。
温暖化政策については、日本経団連は非常に保守的な立場になっている。彼らは産業界を代表して、むやみやたらな温暖化政策は経済を悪化させると主張する。しかし、彼らの言う産業界というのはいったい何だろうか。どの企業もみんな、気候変動政策に保守的な立場をとっているのだろうか。
今年になって、少数だが日本の大企業が中心になって、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan Climate Leaders' Partnership :Japan-CLP)というグループが結成された。イオン株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、富士通株式会社、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社リコーなど7社が参加している。
http://japan-clp.jp/
Japan-CLPは「日本気候リーダーズ・パートナーシップは、持続可能な低炭素社会への移行に先人を切る事を、自社にとってのビジネスチャンス・次なる発展の機会と捉える企業ネットワークです。」と宣言している。
Japan-CLPの関係者の話を聞いてみると、まだまだこれからだが、参加企業を増やしたいという。彼らのモデルは米国のUS-CAPと言われる大企業グループだ。ここも米国を代表する大企業が作っているグループで、排出権取引制度の導入にも賛同している。
http://www.us-cap.org/
地球温暖化による危機は日に日に進行している。低炭素社会はもはや世界史の流れになっていると言っていい。時代の動きに敏感な産業界は着々と準備を進めていると言うわけだ。新しい社会が始まる時にはルールの実権を握った者が一人勝ちする。資本主義社会というのはそういう社会だ。EUはもちろん、米国の大企業もイニシアティブをとるために活発に動いている。
このような時代の流れにあって、中小企業は低炭素社会という時代の流れに乗れるか乗れないかで大きな差がつくだろう。すでに太陽光パネル業者はこの大不況時代にもかかわらず大きな利益を上げている。自動車も含めたあらゆる産業部門に温暖化対策は不可欠な要素となりつつある。
Japan-CLPは中小企業の賛助会員も認めている。中小企業も本気で考えなければならない時代になっている。