名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№349 かみからの風

№349 かみからの風
 私のお気に入りブログに「かみからの風」がある。筆者ドンキホーテさんは毎朝、日経新聞を読んで気がついた記事についてコメントを入れている。時々広告にまで眼が向いて紹介されおり、いろいろな読み方があるものだと感心している。

http://blogs.yahoo.co.jp/soho21k_matu

 そこで,私も今日は日経新聞から記事を書くことにした。
 今日(2009/10/22)の朝刊は自動車関連の記事がいくつか掲載されている。私の顧客は東海地方の中小企業だから自動車にはどうしても眼が向く。

「ホンダ、営業黒字に。エコカーが好調」(1面)
東京モーターショー 『電動』シフト各社鮮明」(9面)
「三洋 海外で電池組み立て ハイブリッド車向け」(9面)
ハイブリッド車 富士重が世界展開。電気自動車、トヨタと連携」(10面)
「カー・オブザ・イヤー『プリウス』選定」(11面)
「車部品各社、黒字化相次ぐ。日精工など販売回復」(15面)

 記事の傾向ははっきりしている。「エコ」がキーワードに自動車業界は動いているということになる。記事全体の傾向からすれば、自動車関連は景気は上向きのイメージだ。自動車部品関係が圧倒的に多い、私の顧客、友人たちの会社は、強い期待を持っているだろう。

 新規開発関係の仕事も徐々に上向くかもしれない。生産ラインの改善関係の仕事はあと1年から2年ぐらい先かもしれない。とまあ、こんな感じで新聞を読んでいるかもしれない。

 こうした記事は経済の基調を知る上ではとても大切だ。しかし、中小企業にとって命となる情報は、新聞に見えない記事を読み取ることだ。新聞記事は業界では知られた事実が報道されている。弁護士の私には早いが、業界の人にはすでに遅い。

 これはイタリアの企業から聞いた話。

 あるイタリア企業の中小企業は、EUのある自動車会社の車両が、ブラジルでサビを生じていて困っているという情報を仕入れた。この自動車会社がブラジルにどの程度進出しているかは新聞記事などで分かっているだろう。しかし、実際に、自動車がブラジルでどうなっているかまでは分からないだろう。

 このイタリア中小企業はブラジルの気候にあった、メッキ技術をお友達の企業と「直ちに」共同開発して自動車会社に売り込んだ。技術は採用され、業績も大いに前進した。

 中小企業はどうしても、隙間や、一歩先を読んだところの市場を相手にしなければ成長は望めない。日経新聞を読むが、記事に読めない記事を読み取る力、日頃からの情報収集がとても大切だし、そこに才能、経験の差がつく。