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№339 グラミン銀行(Grameen Bank)

№339 グラミン銀行(Grameen Bank)
 バングラディシュは世界で最も貧しい国の一つだ。人々は自立するすべを知らず、極端な低賃金にあえいでいる。貧しい者は銀行も利用できない。そんな中、1979年に貧困者向け無担保融資の実験が試みられた。

 経済的自立を行うすべのない人たちに少額の融資を行う。融資を受けた人はそれで商売の道具、商売の技術を身につけ小さな商売をする。貸し手は金を貸すだけでなく、お金の管理、商売のやり方などについても指導していく。

 このマイクロファイナンスのプランは事業として成り立つことが立証され、現在では世界40カ国で試みられているということだ。グラミン銀行はそのパイオニアだ。

 http://www.voiceofindia.co.jp/business-economy/554

 貧困対策は社会保障制度が基本だ。これは所得の再分配によって所得、生活を保障していこうという考え方だ。しかし、このマイクロファイナンスのプランは自立によって貧困を解消しようというもので、考え方の根本が異なる。

 人々は貧困から解放され、さらには地域全体が貧困から解消され、活性化するというアイディアだ。私はこのシステムに深い感動を覚える。グラミン銀行は2006年にノーベル平和賞を受賞している。 

 グラミン銀行ではコミュニティの活性化にも力を入れている。たとえば、インターネットの普及だ。貧困からの脱出のためには教育が重要だが、そのための最新の情報も得る必要がある。グラミン銀行では農村部の若者がインターネットを利用できるよう運動を進めている。

 小規模事業者など小さな単位の経済が自立することで、地域が活性化する。地域活性化は徐々に広がりを持ち、さらに広い地域が活性化する。人々が自立することでコミニュティーへの政治参加も意欲的になるだろう。人々が自立することで、個性が開花し、文化も多様化するだろう。経済の民主主義というのはこうしたことを言うと思う。

 高度な資本主義社会国である日本の状況は全く違うが、グラミン銀行から得られるものは大きい。中小企業の活性化や、リレーションバンキングの真の意味をここから得るべきではないだろうか。

 ちなみに、グラミンというのはベンガル語で「村」という意味だ。

ウィキ(20091008)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%8A%80%E8%A1%8C