名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№316 今頃は何が必要か

№316 今頃は何が必要か
 嵐のような不況も、つらい状況なりに「慣れ」が出始めた。
 今頃の中小企業は何を求めているのだろうか。

 不況下、問題となるのは、①落ちばかりの業績をどのように立て直すか、②足りないキャッシュフローをどこで補うか、③内部コストをどこで切り下げるか、の3点だった。①は経営コンサルタントの先生方の役目だろう。②は融資のコンサルタントの役目だろう。債務を整理していく段になれば弁護士の役目かもしれない。内部コストについては、労働条件の不利益変更、雇用調整などの聖域に触れる問題となれば弁護士の役目かもしれない。

 今回の不況の特徴の一つは、その「急激さ」にあった。あまりにも急激な変化に、事業者は常に最悪の事態を想定しなければならなかった。そのときに、法律的にはどうなのだろうという、ある種の限界線を意識しなければならなかった。法律相談もそこに応えたため、破産、民事再生、解雇など瀕死の状態についての説明することが多かった。実際、そのような事例も多かったように思う。

 今はどうだろうか。
 苦しいながらもある種の「慣れ」があって、自社を総括することが必要なのかもしれない。

 たとえば、セイフティネットで追加融資を受けた業者、借り増しによって借金が増えた業者など、借金がふくらんでしまった業者もあるだろう。景気は依然冷え込んでいる。リスケについても実践した業者もあるだろう。こうした借金の問題については、自社の信用、格付けがどうなるか、どうなってしまったかが大きな問題意識かもしれない。そして、信用を失っていたのであれば、それをどのようにして回復するのかが問題なのだろう。