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№315 音楽

№315 音楽
 音楽は人の心に直接響く。それは言葉を超えた心の問題だ。ということで、音楽と「美」、「永遠」はいつも大切な課題だということらしい。モーツァルトは神のように美しいという人もいるだろう。ベートーベンは論理的で、思想的だ。ロマン主義の時代になって、音楽の持つ軽やかさや自由さが失われたと嘆いている文章を読んだことがある。

 ともかく、音楽に理屈はいらないよね。好きなものは好きでいいじゃないかな。そうだよね。中学校の時に、つきあっている女の子にあれこれ言っていたら、「好きか嫌いかというのは理屈じゃないじゃないんじゃないの」、と一蹴された。

 以来、直感力に優れた女性を尊敬するようになり(なぜか女性)、自分も自分の心に素直になりたいものだと思うようになった。ずいぶん年をとったが、今でも、最後は自分の感じるところを信じる考えには変わりはない。

 そうは言っても、音楽を聴いていてやはり「美」は感じる。いま、この文書を書いているこの場所、喫茶店ではずっとビートルズのナンバーが流れているが、何だか涙が出てきそうになる。この涙が出てきそうな気持ちの正体は何だろうと考えたくなる。もちろん、音楽は音楽以外で表現することは難しいのだから、どのような言葉も無意味なのかもしれない。

 私は音楽の楽曲に詳しいわけではない。ジャズのアドリブが好きと言っても、実はどこからがアドリブなのか未だによくわからない。でも、音楽に込められている深い思想には影響を受ける。マイルス・ディビスのカインド オブ ブルーにどれだけ励まされたか分からない。スマートさ、美しさ、強い自意識、社会に向かった自律心、知性、創造性に対する意欲こういったものは語り尽くされているし、私は真実だと思う。

 黒人たちが自立を始め、自分たちの文化を作り始めた歴史や、アメリカ全体が既存の価値観を疑い、新しい世界を作ろうとした歴史と重ね合わせるとジャズのが示そうとしている世界の一片が理解できるような気がする。