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№313 病院経営

№313 病院経営
最近、病院経営に関心が向いている。

病院の場合、開業医のレベルから、多くのベッドを持つ中堅病院まで様々ある。分業化も進み、勤務医、看護師、助産婦、カウンセラー、レントゲン技師、事務職員といろいろな業務がある。

病院の場合、患者の生命や健康を守るという公共的使命があることも違う。病院経営は営利事業ではない。さらに、最近は「患者の権利」ということがやかましく言われている。この病院の公共的な使命があるため、緊急時に対応しなければならなかったり、患者のために24時間運営できる体制が求められたりする。

病院は公共的存在であるため、国の統制がきびしい。健康保険制度が我が国の医療を支えているわけだが、病院はその担い手だ。そのため、病院にはさまざま統制がある。時の国政によって大きく左右されてしまう。

病院経営の中核をなすのは医師の処遇だ。医師は知的労働であるため、単純に労務管理することはできない。しかし、一方で提供されるサービスの質を経営者としては管理する必要がある。患者の喜ばれなければ患者は来ない。また、医の公共性から、医師には無理が生じがちだ。若い医師の労働実態はかなり過酷だ。過労死防止の基準すら満たしていない例も少なくないだろう。

医療は社会情勢にも左右される。少子化が進み、老人医療が問題が深刻だ。さらに、患者数が伸びていく時代が終わったが、一方で、院長も引退の時期となってきている。これまでの院長の努力によって大きくなってきた病院をどのように世代交代をはかるかは病院経営者にとって深刻な問題だろう。