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№282 ワシントンDC 温暖化問題と中小企業

№282 ワシントンDC 温暖化問題と中小企業
 地球温暖化問題はエネルギー政策や経済構造の根幹に関わる問題と取り扱う。これにより世の中は急激に変わっていくのだから中小企業も無視はできない。ブッシュは温暖化問題にきわめて冷淡だったが、米国では実は企業側でも、議会側でも温暖化政策、特にキャップ&トレードについては検討が何年もかけて進められていた。米国はしたたかな国だ。時代の流れを敏感にさっちし十分な準備を進めている。日本の経団連の態度は時代遅れで、化石化した原理主義のように見える。

 太陽光発電風力発電だ。EUではすでに電力の定額買い取り制度が発達している。風力などは各自に買い取ってくれるので、投資すればするだけ儲かる仕組みになっている。ドイツでは再生可能エネルギーの割合はすでに1割近くになっている。もちろん、これは新しい事業のチャンスだろう。米国においてもオバマ政権になって急速にこの政策が進んでいる。これが日本に及ぶことは必至だ。
 
 温暖化政策は省エネルギー政策と重なる。しかし、省エネ政策は石油燃料をいかに節約するかという視点だったが、温暖化政策においては化石燃料、特に石炭の使用を減らすことが求められる。それに応じた新しい技術も必要になるだろう。自動車もハイブリッド車だけでなく、電気自動車の技術開発も急速に求められる。バッテリーの高度化が求められるし、それに関連した部品も必要だろう。こういうところに中小企業のチャンスはないだろうか。

 国際社会も変動している。京都議定書以来、排出権の買い取り制度が進んでいる。中国は排出権を国の財産とする動きがある。中国は大量に二酸化炭素を排出しているから、この削減によって大いにもうけようと思っている。しかし、そのためには二酸化炭素の排出の現状を正確にモニターできなければならない。また、抑制技術も習得しなければならない。ここにも新しい技術が求められる。ここにだって中小企業の出番はあるはずだ。根本的なプラントは大企業しかできないが、それに必要な部品は中小企業が作っている。

 つまり、中小企業というのは現在の大きな変化を前にして、新しいこの状況に対して、自社の製品を売り込むチャンスがあるかをいつも見極めておかなければならないのである。