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№270 自然の楽しみ

№270 自然の楽しみ
 最近は農業はトレンドだ。名古屋では「もくもくファーム」という農家がおしゃれなレストランを経営して大人気だ。都会の人は「農」の持つ文化にあこがれてレストランを訪れる。

 「農」の持つこの魅力は今に始まったことではない。フランスでも王侯貴族が,庭園内に疑似農村を作って楽しんでいたし,日本でも古くから「農」に対する憧れがある。

 この「農」の憧れには自然に対する憧れがある。山や海に私達は常に日本人を感じている。都市で育った私も,田園風景を見ればふるさとを感じる。渚でただずみ,寄せては来る波に「癒し」を感じる。

 これはたぶん,生物としての人間の本能のようなものだろうと思う。自然の中で私達は進化し,自然の中が安心な場所と感じる生物として存在した。私達の祖先は,自然を敬い,恐れ,楽しむ信仰をつくりあげ,自然とつきあう作法を生み出してきた。私達の血の中には自然は安心であるという深い深い意味づけが与えられているのだろう。

 それは疑う余地のない,あるいは疑うことができない人のあり方だ。何で奥さんが好きなの,何で子供が好きなのと聞かれても,最後には好きだから好きなのだというのと同じだと思う。私たちは人を好きになる生物だし,自然を愛する生物だ。

 最後に,鳥や魚は自分の存在を疑わない。鳥は鳥として,魚は魚として生きる。いろいろな恐怖や,飢餓が時にはあるかもしれないが,生き抜こうとすることが当たり前であるかように生きようとする。存在を疑わず,自分の人生を疑わず,私は私として与えられた運命を当然のように生き抜いていくというのが「自然体」というのだろう。