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№259 「地域」は経営危機脱出の鍵となるか。

№259 「地域」は経営危機脱出の鍵となるか。
 じっと耐え,いまを乗り切り,乗り切ったからにはこれまでと違った展開を図っていこうと誰もが考えている。

 不況のときこそ,人の英知が試される。不況はつらいが,不況のときにしかできない作業を行ない,振り返って,「あのときがなければ今の自分はなかった」というのが理想だろう。人生にとって無駄な時などない。

 中小企業家同友会では経営指針作りというのを大きな方針としている。人生を振り返って自分の事業が支持されてきた根拠を考え,そこから経営理念を作り出す。経営理念をもとに経営戦略を立て,さらに経営計画を作り上げていく。

 不況の時には原則に返れと言う考え方がある。確かにそうだ。しかし,新しいことをするためにはそれだけでは足りない。違う物を見るということも大切だ。地域に存在する異種業種を眺め,どこで成功しているかを見て取ることも重要だろう。そこに新しいアイディアの発展がある。

 さて,「地域」は企業にとってどんな意味があるだろうか。それは自分の事業圏,生活圏の範囲という意味で意味がある。現実に機能している様々な活動をできる限りみて,どんどんアイディアを作っていく。その中に一つ光る物があれば成功だ。

 例えば,今回私達が勉強のテーマとする,もくもくファームという企業だ。新しい農業を始めようとしていろいろな取組をし,都市住民に,文化としての農業に対する憧れがあることを知った。その憧れを商売にしたところに重要なアイディアがある。これは地域を見つめることで,それまでにない農業のスタイルを思いつき,発展させていったに違いない。