№238 クロネコヤマト 小倉昌男の経営学
宅急便を開発した小倉昌男さんの経営学という本を読み始めた。
普段,社長の本というのは全く読まないのであるが,中小企業家同友会の企画の関係で,いろいろ調べている。
まだ,読みかけているのだが,読んでみるとおもしろい。先代の会社に入って,いろいろ勉強したことも書いている。昭和40年代には米国の高い生産性を勉強し,生産性向上をヤマト運輸に応用した。第二次産業のあり方であるとか,物流革命であるとか,マーケッティングであるとか,彼は同業者の勉強会や,異種業種の交流会などのセミナーでいろいろ勉強している。
彼がセミナーで学んだことは,別の国のことがらであったり,別の業種のことがらであったりする。しかし,そのエッセンスを自分なりに理解し,ヤマト運輸に当てはめていった過程は大変勉強になる。いろいろ,考えている様子がリアルに再現されているので,自分もやってみたくなる。
驚くのは,いつごろ誰から,何を勉強したのかが記載されているところだ。30年,40年前のセミナーのことが本に出ている。これは単純な記憶だとは思われない。何かメモのようなものがあってそれが蓄積されているのだろうと思う。心にとまったことをメモの残し,それを応用した過程もメモに残していたのだろう。
経営者は事業という生き物を相手に格闘する。その生き物を御するための勉強は,実学と呼ぶのにふさわしい。