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№213 ドイツの産業界と気候変動

№213 ドイツの産業界と気候変動
 ベルリンではドイツ産業連盟(BDI:Bundesverband der Deutschen Industire e.V)のスタッフと面談した。実に堂々たる建物で,太陽光が地下の部屋にまで届くよう配慮されていた。ドイツでは温暖化対策が徹底しており,昼間は室内では蛍光灯はほとんどつけない。

 EUの温暖化対策は本気だ。温暖化対策でのEUの牽引車はおそらく英国だろう。排出権取引市場の中心をロンドンに持ってくることで新しいビジネスチャンスを得ようとしている。

 これに対してドイツは重工業や製造業も盛んであるため,そう簡単に温暖化対策を導入するという訳にはいかない。ドイツにとって排出規制に伴う,企業の国際競争力の低下は避けたいところだ。ドイツと英国では産業構造が違う。ドイツは産業構造という点からは日本に似ている。

 BDIは鉄鋼や電力関係の会社が当然構成員であるため,温暖化対策については保守的であることは避けられない。しかし,EUが導入を決め,ドイツ連邦政府が受け入れた以上,産業界としても気候変動問題に積極的に取り組んでいこうと決意している。

 実際,排出権取引は多くのビジネスチャンスを産んでいる。排出権取引市場そのものがビジネスチャンスである。また,ドイツの再生エネルギー政策(風力,電力,地熱,などによる発電)はこの分野ですでにドイツ国内の発電量の6.5%を生み出している。これも重要なビジネスチャンスだ。