№197 静岡のある企業
私が所属する愛知中小企業家同友会では毎年経営フォーラムを開催する。今年は私がたぶん分科会の一つを受け持つということで頭が痛い話になっている。
何となく,学園祭ののりみたいなところもあるが,参加者がみな経営者なので,実際に役立たない一般論は容赦なく批判される。こわいことだ。
という訳で,不況下,中小企業の活路について具体的な検討に入っている。しかし,私が考えつくぐらいなら,とっくに頭のいい人たちが考えているに違いない。
ともかく,とりあえず2008年中小企業白書を改めて見てみると,おもしろい企業が紹介してあった。不況下,「仕事が欲しい」ということで今すぐ何かやらなくちゃ,不況を乗り切ったら新しいことをやってやるぞと思っている方々,地域の需要の見直しや,異種業種との連携,産学連携など原則に立ち戻ってはいかがでしょうか。
□ やまと興業株式会社
やまと興業は、この会社の主力製品は輸送用機械部品であったが,LEDを活用した花芽の成長を誘導する装置を開発。その結果、花芽の通年栽培(通常栽培では春先の年1回のみ)が可能となった。
LEDの光源体、植物育成装置、装置内の温度管理及び空調装置などの開発を「製造業者」が担当、植物の苗の提供、花芽の栽培や育成状況の評価などを「農業生産者」が担当し、花芽の販売、市場開拓を野菜・果物の「卸売業者」が担当するなど地域内での連携体制を構築するとともに、事業化を推進している。
http://www.meti.go.jp/seisaku/local_economy/88/kakusya42.html
□ いくつかの教訓
・創業50年をきっかけに新しい事業戦略を展開したこと。
・静岡大学工学部,農学部との産学連携にとりくんだこと。
・静岡名産のチンゲンサイの栽培技術を農家に販売するほか,チンゲンサイの花芽を食べる文化の普及を通じて販路を拡大していること。
・異種業種交流を重視していること。
・平成17年9月には「中小企業新事業活動促進法」による「新連携支援制度」の活用を図っていること。