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№196 地域に活路を見いだす

№196 地域に活路を見いだす
 自動車,電気製品系の製造業は空前の不況を迎えている。そんな中,資金繰りに苦労しているわけだが,本当の要求は「仕事が欲しい」だ。

 多くの企業は大企業一社に依存しすぎたとか,分散しているからまだ仕事が残っているとか,今をあれこれ考えているだろう。あるいは,少しでも仕事をとるために,新しいことを何でも始めてみようと思っていることだろう。6月を乗り切り,安定したら,次はこんな風にしようとも思っているのではないだろうか。

 そんな中,私たちは,「地域の需要」に目を向ける活動も必要ではないだろうか。人が生活している以上,地域には確実に需要は存在する。あるいは,全ての事業が落ち込んでいる訳でもない。活力ある事業と連携して活力を取り戻すこともあり得る。地域の隠れたニーズを掘り起こすことで,新規の事業として発展する目もあるかもしれない。

 大企業に依存した企業は,消費者,顧客のニーズの獲得を大企業任せにしていたとも言える。また,海外の市場を大企業を通して獲得していたとも言える。それでは,足腰が本当に弱かったということを今回の不況は教えてくれている。目を直接地域社会に向け,企業が直接需要を引き出す活動が求められている。それが,本当の意味の内需の拡大だ。

 では,「地域の需要」に目を向けるというのはどういうことだろうか。

 ヤマト運輸
「元々は三越松下電器産業(現パナソニック)などの専属配送業者であったが、新規業者等との長距離運送競争に乗り遅れ、さらに追い打ちをかけるようにオイルショックが重なって低迷していた大和運輸の業績回復のため1976年に、当時の社長・小倉昌男の決断により、個人を対象にした小口高速配送システム(宅配便)「宅急便」を開始して、大手企業からの専属配送事業から脱却を図る。」(Wikipedea)

 こうした,地域に目を向けて新しい商売の芽を見いだし,不況から脱するばかりでなく,一つの時代を作り上げるアイディアを具体化することもあるのだ。これが地域の力だ。