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№194 中小企業のための活性化条例

№194 中小企業のための活性化条例
 あちこちで融資はいいから,仕事をくれという話を聞く。稼働が50%とか,30%とか,信じられない数字まで落ち込むこともめずらしくなくなってしまった現状ではこの要求は切実だ。

 こういう時代だからこそ,自治体は仕事を生み出す責務がある。仕事を生み出すと行ってもすでに公共工事による雇用の吸収というのはすでに時代遅れだし,大企業中心,ディベロッパー中心の雇用政策であって弊害も多い。中小企業の主体性を引き出し,活性化させ,市民の多様なニーズを引き出すための雇用政策が不可欠だ。

 例えば,環境,福祉などは文化そのものを変えてしまうほどの多様な変革をもたらす。市民の需要も高いし,当然時代の要請もある。多くの企業がこうした分野で新しい事業を興したり,自分の事業を発展させたいと思っているところもあるだろう。

 もちろん,地域活性化の課題は全ての市民,企業ができるわけではない。地域の主体性を引き出すためのマネージメントも必要だ。そのためのインフラの整備,資金的な援助など総合的に施策が行われなければならない。

 こう考えると地域活性化条例の骨子は見えてくる。
① この条例は中小企業の主体性を尊重し,もって地域経済の発展を図ることを目的とする。
② 中小企業が単独であるいは合同して作成した地域経済活性化プランに対して,行政は基盤整備などを通じて援助する。
③ 事業体などが作成した地域活性化プランに対して,必要な融資等資金的な措置を得られるよう便宜を図る。
④ 地域活性化プランを策定できるよう専門のコーディネーター,あるいNPOなどを養成する。

 さらに,こうした地域活性化条例を作ることによって,既存の制度も積極的に活用する道も開けてくると思う。例えば,中小企業基本法のもとの施策であるとか,リレーションバンキングであるとか,まちづくり三法であるとかいろいろある。