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№163 自己資本比率

中小企業法務 №163 自己資本比率

 ブログを始めると他のブログとの連携が始まり,いろいろ教えられる。
 始める前はブログにこんな効果があるとは思いよらなかった。

 cwd**394さんのブログ「創業者・事業者の銀行交渉術 」もその一つだ。弁護士は依頼者の決算報告書など見るが,実は余りよく分かっていない。依頼者や,税理士さんから聞いて,分析結果を知る。他人の知識が頼りだ。

 さて,このcwd**394さんのブログで,BIS規制の問題が取り上げられていた。
( http://blogs.yahoo.co.jp/cwdpf394/23717745.html )。聞いたことがあるが,この規制銀行の取引容量や,取引対象に大きな影響を与えているということはなんとく聞いていたが,興味を持って調べてみるということはなかった。

 インターネットというのは便利だ。こうした問題もすぐに調べられる。私は名古屋大学法科大学院で講師をひき受けているが,学生たちにはむやみにインターネットをコピーしてはいけないと言っているが,自分ではしょっちゅうコピー&ペーストを繰り返している。

 ともかく,BIS規制というのは「国際業務を行う銀行の自己資本比率に関する国際統一基準のことで、バーゼル合意ともいいます。BIS規制では、G10諸国を対象に、自己資本比率の算出方法(融資などの信用リスクのみを対象とする)や、最低基準(8%以上)などが定められました。自己資本比率8%を達成できない銀行は、国際業務から事実上の撤退を余儀なくされます。」ということだそうだ。ちなみに,BISというのは国際決済銀行, Bank for International Settlementsのことらしい。

 この自己資本比率をどのように考えるかによって,融資容量が決まってくるということのようだ。新BIS規制では自己資本充実度の計測方法に信用リスク,市場リスク評価が加わった。信用リスクは貸し倒れのリスクのことで,これが高まると自己資本比率は低下する。株など金融商品の価が下がれば市場リスクが高まり,自己資本率は低下する。

 このことが,中小企業にどのように影響を与えるかというと,当然,銀行は自己資本率を低下することをできるだけ回避したいと考えるため,それに沿った融資を行うということになる。小さな貸し出しだって,自己資本率を維持したいという銀行の本能というのが働いている。この自己資本比率をいじれば貸し出し枠が広がるという考え方あるらしい。