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№162 中小企業家同友会「経営相談室」

№162 中小企業家同友会「経営相談室」

 昨日は中小企業家同友会の経営相談室の準備会が開かれた。
 弁護士,税理士,社会保険労務士に加えて金融関係のコンサルタントなど専門家が顔をそろえ,専門家として中小企業家に対して何ができるかを協議した。さすがは同友会だ。

 私としては専門家による無料相談会を実施したいのであるが,簡単ではない。専門家は知識の提供をもって生業としているのであるから,安売りはできない。大工さんにただで家を直してくれと言っているようなものだ。

 それに,弁護士の相談活動と他の専門家の相談活動はだいぶ違うようだ。私達は最初の30分程度の相談が行われて,弁護士が必要な本格的な問題か,弁護士が役立たないか,あるいは本人でも対応できるかを見抜き,アドバイスする。本格的な相談はその後に行われ,これは時間をかけて相談することになる。

 しかし,他の専門家はちゃんと相談に応じるには2時間は必要だという。例えば銀行融資のコンサルタントの先生は会計状態などいろいろ聞かないと相談はできないということらしい。確かにそんなものかもしれない。

 不況の時には常にぎりぎりの経営を迫られる。弁護士にせよ,税理士にせよ,相談してあたまを整理することは重要だ。まして,困難を社員と共有する,解雇という禁断の果実に手を付けない,親会社と渡り合わなければならない,関連会社が倒産した,社員が多重債務をかかえている,別会社をどうするか,考えたらきりがない。それは何らかの法的スキルの提供よりも相談してあたまを整理することが大切なのだ。