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№126 中小企業憲章ノート

中小企業法務 №126 中小企業憲章ノート

 中小企業家同友会では中小企業憲章の草案作成作業に入っている。これを機会に私も検討してもようかと思う。

1. 中小企業憲章は,Think small first.の考え方に触発されて発案された。経済,社会政策を考える上で,中小企業のことをまず考えよということである。

2. 一方で,中小企業家は社会経済を支える主体として誇りを持って自律的に活動せよという内容を含んでいる。中小企業家は行政に甘える存在であればその企業は滅ぶという考え方である。

3. 中小企業は地域の社会,経済,文化的発展に寄与する公共的存在であるという考え方である。

4. 中小企業は適切な環境に置かれれば,消費者(購入者という意味で大企業も含む)の支持を得られるよい商品を生み出すことできるし,これは社会の活性化につながる。

5. この場合の適切な環境とは,社会経済の変動に対しても企業を維持できるだけの環境であり,大企業に対する関係も含めて平等・公平な競争関係に立つことができるという環境である。前者は,中小企業の保護政策にかかわる問題であり,後者は中小企業の発展に関わる問題である。

6. 中小企業のあり方はグローバリゼーションの中で位置づけられるべきである。

7. 中小企業憲章を法律として位置づけるのであれば,次の点を考慮しなければならない。
   ① 憲法との関係
   ② 中小企業基本法との関係
   ③ 中小企業庁設置法との関係