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№ 122 中小企業の海外展開

中小企業法務 № 122 中小企業の海外展開

 2008年中小企業白書によると,中小企業海外展開はさらに進んでいるようだ。製造業だけでなく,サービス業などの非製造業も増加しているようだ。中国だけでなく,ベトナム,タイへの進出もある。製造業については原材料の現地調達が増え,現地販売の動きが強まっているということだ。

 中国では高い経済成長率を背景に購買力が高まっている。海外の企業が進出して久しく,現地法人の技術力も高まっている。日本企業にとっては別に日本で商品を売る必要はない。日本から原材料を調達する義理もない。

 グローバリゼーションとはこういうことだ。つい数年前までは多国籍企業だけの世界だったのだが,いまや中小企業もそれに加わっている。それは単に大企業の中国進出のお供として参加するというのではない。中国経済の「生態系」の中にはまりこんで利益を上げていく姿こそがまさしくグローバリゼーションだ。そこでは,中国企業との共生関係,中国消費者との共生関係が存在している。

 こうした形でのグローバリゼーションの進展は相互の信頼の確保,欠陥のない部品,確実な支払いなど,中国企業内においても,よい企業,よい経営者,よい経営環境が必要ということになる。ここに,中小企業の国際的連帯の鍵がありそうだ。