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№2381 ティール組織のエッセンス

 CEOなどトップマネジメントから管理職が広がるピラミッド組織は分かりやすい。しかし、ティール組織(英治出版)はわかりにくい。

ティール組織は誰もが同等の権限を持っている。
  だけど、平等でもない。
  だけど、階層的構造はあり得る。
ティール組織では集団の叡智を信頼する
  だけど、多数決で決めず、全員一致でも決めない。
やりたい者が助言を受けつつ決定していく
  だけど、権限委譲ではない。そもそも委譲すべき権限がない。

 なんだか、上へ行くのだが実は横に移動し、落ちているのだが頂点にたどり着くといった感じで、エッシャーの絵を見ているようだ。

 

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事業活動には単位がある
 組織は誕生の時から目的を持っているという。目的実現のために相応しい役割がある。仕入れ、生産、小売り、経理、社長という具合だ。最初は社長と奥さんぐらいでいろいろな役割を担うが、必要に応じて組織は徐々に分化していく。この時に組織内での役割分化が始まる。

 

ティール組織では現場の権限で変化する
 つまり、分化した各単位が組織全体からみて自分たちの役割は何かという点を問い続け、行動することになる。そのため、組織の変化は各単位から始まる。単位に組織変化がみられれば連携する他の単位との調整は不可避だ。こうして、単位相互の自動調整が働いていく。組織が堅く、固定的であればこうした柔軟な動きはできない。

 

ティールでは個々の単位が常に全体的利益を意識して活動する
 単位が自主的に組織を作り上げる訳だが、職場単位そのものは事業全体がうまくいくように進めることが目的となるので、経営上の目的、理念が共通しないと自主的に活動できない。また、不断に課題発見と課題解決のための変化を求めた意識が必要になる。

 

ティールでは高い次元での秩序が求められる
 ティールでは社員、職場単位が自主的に変化する権限が与えられている。権限があるということは予算も執行できるという意味である。その場合、いくつかのルールが存在する。
① 常に誰かの助言を求める
② 僕の問題ではないという態度をとらない
③ 全体の利益を考え、エゴに走らない
④ 組織の目的に照らして正当かが問われる
⑤ 仲間に対する責任感を持つ
 などなど

 

CEOは文化を維持することが最大の役割となる

 CEOの役割は組織全体の新しい問題を提起したり、組織が病んでいる様子をいち早く発見して修復したり、組織の基本的文化を維持したりするところにあって、危機管理の時など例外的な場合を除いて、指揮命令権を行使するところにはない。

 

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