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№2369 それってパワハラじゃないですか?

 「それってパワハラじゃないですか」という言葉に関する相談が増えている。しかし、叱ることがパワハラというわけではない。このあいまいさから当事務所で顧問先のパワハラ教育を担当するようになっている。結局、この問題は最後は「人間として正しいか」という基準で処理されることになる。

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パワハラ法制の施行

 令和元年5月29日にパワハラ法制が制定され、大企業においては令和2年から、中小企業においては令和4年から施行される。一定の企業対応が迫られることになる。労働者の問題意識も高まり、今後、経営者ますますはパワハラと指導との境界に悩むことだろう。

 

パワハラと言ってもいろいろあります

 パワハラというと一般には職場の上下関係、優越的関係を通じて行われる。しかし、上下関係のみならず、集団的ないじめ、時には部下から上司への圧迫も含めて考えることにある。社員が集団で上司を無視する、「管理能力がない」などと言っていじめることもある。

 

「叱る」という行為はパワハラとは言えない
 たとえば書類の整理ができず、ファイルする場所を間違える、そのたびに他の社員が時間をかけて探さなければならない。こんな時に注意することは許されるし、重なりに応じて語気が荒くなるのも許容される。集団でミーティングを行いその問題を指摘することも許される(東京地裁H22.9.14労経速報2086号31頁)。

 

世の中には常識を逸脱する行為は少なくない
 アルコールを強要したり、長時間の説教をしたり、自己の怒りの感情を満足させる言動をしたり、人格的な非難をしたり、具体的な指導もなくおまえはだめだ、性根を改めろと言ってみたり、と非常識な言動はパワハラに近づいていく。法律的には「社会通念上相当性を逸脱している」という言い方になるが、やはり「人間として正しいか」という基準で考えていくこkとになる。

 

命令より助言
 上下関係で部下にものを言う場合、それを「指揮・命令」として言うか、「助言」として言うかは大きな違いがある。経営者あるいは上司たる者、部下の成長を願う立場からものを言わなければならない。命令があって、そのとおり動けというのでは部下の主体性は発揮されないし、業績もあがらない。社員の定着もままならない。

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