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№2350 不動産取引は危険がいっぱい

 不動産取引は一般に価格が高いことや、反社会勢力が入り込みやすいため、大きな土地についてはかなり注意を要する。大手不動産会社ですら、地面師と言われる連中に大金をだまし取られてしまう。私たち弁護士も巨額の不動産取引となると相当気を遣う。

 

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不動産売買は契約の基本
 そうは言っても不動産売買契約は物を買う、売るというただそれだけの契約だ。コンビニでおにぎりを買うのと変わらない。コンビニでおにぎりを買うとき、代金と引き替えに物をもらう。買う、売るが同時に行われるのは常識中の常識で、ほとんど何の疑いもなく自然に取引する。不動産も同じだ。

 

同時履行は取引を確実にする
 このように売りと買いが同時に行われるのは、それが一番確実な履行方法だからだ。お金が払えなければ物を渡さなければよい。物が渡されなければお金を払わなければよい。不動産も同じ原理で、お金の引き渡しと登記名義の移転が同時に行われる。不動産取引の場合、この「同時」に最大限の注意を払う。

 

不動産同時履行はこのように行われる
 巨額の取引は銀行にあるお金を利用するので通常は銀行の一室を借りて取引が行われる。この時に司法書士が登記名義移転に必要な書類を確認し、それが引き渡されると同時に代金が直接または振り込みにより支払われる。

 

ちょっとした時間差が危ないこともある
 普通はこれで終わるのだが、もし、売主に信用がない場合は次のように行う。
 まず、取引の場所を法務局に近い銀行を選ぶ、移転登記に必要な書類を受け取るとすぐに司法書士が法務局に申請に行く、申請が受理されら司法書士は電話を入れ関係者が確認する。その上で解散する。これは、書類を受け取って、法務局に行くまでのわずかな時間に何か行われることを防ぐためだ。

 

このほかにもいくつか危ないシーンはある
 ① 売り主本人確認
 ② 第三者や税務署の差し押さえ
 ③ 不動産の場所の確認
 ④ 名義上買主と、実際の買主が異なる
 ⑤ あやしい金融機関がからむ
 ⑥ 代金とは別に意味不明のお金を要求される。

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