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№2349 経営者は夢を語ろう

 経営者はいつも夢を持っている。その夢はふわふわしたよそ事のような夢ではなく、実現したいという強い願望を伴った夢だ。

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京セラ稲盛和夫氏は高い目標が必要と言っている
「企業という集団において、従業員の幸福を実現するために、高い目標を掲げ、その達成を目指していく時には、『こういう哲学で経営していきます』という、企業の中での基準となるような考え方がどうしても必要になるのです。そして、その基準となる考え方に、全社員がベクトルを合わせていかなければならないのです。」(「体系的に学ぶ稲盛哲学」14頁)

 

また、自分たちの「居場所」どこにするかも大切だと言っている
「『どの山に登るのか』、つまりどのような会社を目指すのかによって、会社の中を律する哲学や思想が変わってくる。高い目標を目指すには、それに相応しい考え方と方法論が必要となる。だからこそ、わたしの経営哲学である『京セラフィロソフィ』にはストイックで厳しい項目が並んでいるのです。」(同31頁)

 

企業の夢は結局のところ経営者の人格に比例する

 こうした企業の夢のスケールと実現に向けた実行力は結局のところ、リーダーの人格がどれだけ向上するかにかかっている。それは言葉にリアリティが含まれていることに他ならない。エベレストに登ろうという言葉は誰でもいえる。しかし、その言葉にリアリティが込められるためには日々の実績と責任を引き受けてきたというその人の生き様が必要となる。

 

私が尊敬する企業パタゴニアの場合

 アウトドアグッズの国際的メーカーパタゴニアは私が最も尊敬する企業の一つだ。その創業者イヴォン・シェイナードはこう言っている。

 

「私はそれまでずっと、企業家を自認するのをあえて避けてきた。私はクライマーであり、サーファー、カヤッカー、スキーヤーであり、そして鍛冶職人だ。・・・ところがいまや、所有する企業は多額の他人資本を受け入れ、従業員とその家族みんなの生活が、自分たちの成功にかかっていた。・・・ふいに、自分が企業家であり、おそらくこれから長い間、企業家でありつづけなければならないことを悟った。」 

 

何のために働くか、信念の重要性

「また、いかに真摯に(経営に)とりくんだとしても、一つだけ変えたくないことがあった。仕事は毎日、楽しめなくてはならない。会社に来るときはウキウキと、階段も一段飛ばしでかけあがるようでなくてはならない。」(「社員をサーフィンに連れて行こう」60頁)

 

私たちは自由のために働く

 企業は一人ではとうてい実現し得ないことができる。それは、企業に所属することで個人の自由がさらに広がることを意味している。自由とは自らの手の届く範囲、自らの認識する範囲が広がっていくことを意味するから。企業のリーダーは企業に夢を語らなければならない。それは、まだ見ぬ世界に自分の手が届くかもしれないという、未来に対する確信を与える作業だ。

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