経営者の信念を学ぶ
京セラ名誉会長稲森和夫氏が塾長を務める経営者のための塾、盛和塾はトップリーダーの信念を学ぶ会だ。リーダーの心のあり方を追求する異業種勉強会には様々なあるが「人間性」「科学性」を中心に据えている点で私は優れていると思う。
勉強会の中にはリーダーに過度な精神性を求めているものもあるようだが、そんなリーダーが運営する組織は社員に難行苦行で苦しめないだろうか。「社員の物心両面の幸せ」が企業の使命とする稲森氏の考え方は「高いレベル」は求めるものの、軍隊のような意味のない統制はないように思う。特に80才を超えて、塾長の達している経営観は違うように思う。
法律事務所の経営者である私の役割はなんだろうか。組織は全従業員の物心両面の幸せを実現する任務を持つ。私はその組織で何の役割を果たさなければならないのだろうか。
1. 経営者の信念(理念)の学習
全従業員の幸福を実現する組織とはどのように運営されるべきだろうか。組織には道徳が必要だ。私たちの組織では多様性を相互に尊重し、各自が組織での自分の役割を自ずと見つけ、仕事に人生の楽しさを見いだすものでなければならない。
これは組織という媒介を通じて実現されるのであるが、組織には常に前向きな魂が不決まれる必要がある。また、時には規律も必要だ。東洋ではおそらくこうしたリーダーのあり方を「徳」と表現されたことだろう。組織を活性化させ、組織に魂を吹き込む作業が必要だ。私はこれを学習しなければならない。
2. マネジメントの学習
経営は科学だ。組織の組み立て・運営、マーケッティング、競争の中での優位の獲得など、多くの研究がされている。偉大な理念は適切なマネジメントなくして実現しない。適切なマネジメントなくして理念は偉大に発展しない。
3. 実践的な法律知識の獲得・学習
どのように優れたマネジメント知識があったところ、結局は提供サービスの質で決まる。私たちの法律事務所は最高の法律知識と、経営戦略と法律知識の比類のないレベルの融合という課題をかかげ最高のリーガルサービスが提供できなければならない。そのための法律問題、法律応用分野の最前線に身を置き理解する日宇用がある。
4. 人間的、歴史的ダイナミズムの学習
自分の生い立ち、弁護士としてのキャリアに照らして、人間的であるというのはどういことかたえず学習する必要がある。人を大切にするという「愛」の意味が学習されなければならない。
私の仕事は常に世界史の流れの中で意味を持ちたいと願ってきた。それは人類の歴史のダイナミズムを理解することだ。人類の歴史は常に人間性の追求にあったように思う。今なお戦争が多い世の中だが、とにもかくにも個人の尊厳が世界秩序の中核をなしている。こうした、事務所のアイデンティティにかかわる学習が必要だ。
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