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№114 経営理念あれこれ memo

中小企業法務 №114 経営理念あれこれ メモ
 経営理念とは社会における組織の存在価値を端的に表現したものである。

 社会は大企業から中小企業、市民に至る多様な組織の集合体であるが、各組織体は相互関連性を持つことによって存在価値を見いだしている。私たちは社会に感謝し、顧客に感謝して商売をするのであるが、それは社会に存在する多様な関係性の中で私たちの存在価値が認められるからである。経営理念は関係性の中で生み出された組織の存在価値を端的に表現したものに他ならない。

① 「経営理念とは、事業経営にあたっての経営の基本的あり方を表明したものです。企業の目的は何か、何のために経営を行うのか、どのような会社を目指すのか等を述べたものです。」(中小企業家同友会「経営指針作成の手引き」14頁)。

② ロバート・スレーターは、ウォルマートの文化の基本信条は、「個人を尊重する」、「顧客に奉仕する」、「最高をめざす」の3点だという。

③ 渋沢栄一は「論語と算盤」で次のように述べている。
「その富を成す根源は何かといえば、仁義道徳、正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。」としている。社会の中で存在価値が見いだされなければ企業として存続することはないとしているのではないか。

④ 近江商人の行商は、他国で商売をし、やがて開店することが本務であり、旅先の人々の信頼を得ることが何より大切であった。そのための心得として説かれたのが、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」である。取引は、当事者だけでなく、世間の為にもなるものでなければならないことを強調した「三方よし」の原典は、宝暦四(1754)年の中村治兵衛宗岸の書置とされている。
   http://www.shigaplaza.or.jp/sanpou/mini_info/ohmi_businessman.html#1