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№113 独占禁止法

中小企業法務 №113 独占禁止法

 独占禁止法は大企業による横暴を防ぎ,中小企業の自由な活動を保障するために機能する。もっとも,中小企業だからといって独占禁止法による規制は無関係にはならない。特定の公共事業で「談合」を行えば,独占禁止法違反となる。

 独禁法の特別法として,下請法(下請代金支払遅延防止法),景表法(不当景品類及び不当表示防止法)が存在する。下請法は元請けが発注後に単価や数量を変えてきたり,支払いを遅延したりすることを防止する法律で,中小企業を保護するためにある法律である。景表法はどちらかというと消費者のためのものである。「赤福」が景表法違反で摘発されたりしている。

 独占禁止法は正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」という。台1条には目的が記載され「・・・公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」となっている。

 自由は民主主義の基本である。自由に活動して資本に参入できること,事業者の創意が生かされていくこと,消費者が自由に商品を選ぶことができること。これらはみな経済民主義の基本である。独禁法は経済民主主義のための法律である。中小企業に対する保護は常に自由な競争を保障するものでなければならないというのが私の持論なのだが,その点からいうと独禁は非常に重要だ。