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№103 企業の内紛

中小企業法務 №103 企業の内紛
 同族会社は創業者が生きている間は大丈夫だが,その後に問題が起こることがある。あるいは,共同事業者間で意見が合わず,どちらかが出て行かなければならない場合だってある。そんなとき,会社の主導権をめぐって骨肉の争いが起こるのである。

 内紛が起こった場合のトラブルには例えばこんな例がある。
 □ 社長が取締役をクビにしてしまい,退職金も支払わない。
 □ 社長は企業内での優位を維持するために新たに新株を発行してしまう場合。
 □ 戦いに敗れた少数派が,突然,株主総会の取消し,あるいは無効確認などを裁判をする場合。

 ちょっと古い判例であるが,株主総会の招集通知で「定款の一部変更の件」としか記載しなかった株主総会が欠陥があるとして取り消されている。内紛の例は様々であるが,片方が株式を持っている場合には少数株主権を利用して,いろいろな法的手段を講じてくることは決して少なくない。少数株主権とは,株主の権利として,帳簿類を閲覧したり,裁判を起こしたりする権利のことである。一株でも権利行使できる場合があるので,少数派になれば,そうした権利を活用する。株主代表訴訟はその良い例だ。社長が公私混同して,会社のお金を使っていたら,少数派攻撃の材料として株主代表訴訟を起こすかもしれない。

 ともかく,中小企業の場合,あいまいにしていることが多いので,いろいろな紛争が起こってしまうのである。しかし,これは私の勘だが,どんなに注意しても起こるときは起こってしまうので,細かく完璧にすることは不可能だと思う。致命的にならない程度のことをしておけばよいようにも思う。

                籠橋 lawyer-kago@green-justice.com