中小企業法務ブログ №98 ネッツトヨタ南国
愛知中小企業家同友会では「あいち経営フォーラム」を年1回開催している。今年の基調講演はネッツトヨタ南国社長横田英毅氏の講演で始まった。
ネッツトヨタ南国は高知県のカーディーラーだ。同社は2002年に日本経営高品質賞を受賞したほか,トヨタ系ディーラーの中で顧客満足度ナンバーワンを誇ってきた会社だ。講演のテーマは社員教育だ。
ネッツトヨタ南国の社員教育は人間性の尊重を中心に主体性をいかに発揮させるかに精力を注いでいる。よい会社は人間性を尊重し,その結果,創造性が生まれ,顧客に対する主体的な対応を獲得できる。顧客満足度が高いのは社員が主体的に顧客の要求に接しているからだ。
人間性が尊重されるとは,社員が会社で成長できたと実感できるかどうかにかかっている。そのために,ネッツトヨタ南国では社内意思統一の方法についても工夫を凝らしたり,実に様々な工夫を凝らしている。
私が思ったことは,いくつかある。人間の成長,喜びについて同社が明確な定義を持っていること,社風作りのためのさまざまな演出のおもしろさだ。特に重要なのは時間かけて社員・組織の成長をはかっていることだ。人は簡単には成長しない。多様な課題を場面場面でこなしていく柔軟性と創造性は多様な取組によって少しずつ獲得していく。これは社長の緻密な思考と,人はゆっくり成長するものだという人作りの余裕の上にできあがるのだろう。