名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業法務

№2266 雇われ社長の防衛策

№2266 雇われ社長の防衛策 自分の会社と勘違いしてしまうことがある オーナーでない社長というのは時として自分の力を過信してしまうところがある。自分の指揮のもと事業が発展するため,自分の会社だと心の底から思ってしまう。そして,時にオーナー家と対…

№2242 ハコ企業

№2242 ハコ企業 ハコ企業というのを知っているだろうか。 上場した会社で本業がいつのまにか形ばかりになってしまった企業だ。企業買収を繰り返すので,事業の中身が次から次へと入れ替わる。空箱のような企業なのでハコ企業と言われている。 ハコ企業はいか…

№2241 名誉毀損広告による賠償

№2241 名誉毀損広告による賠償 週刊誌広告に「猛毒米偽装」と記載された事件について,ある大手総合スーパーを営む会社が出版社を訴える事件があった(東京高裁H29.11.22判タ1453.103)。 信用毀損に対する損害はかなり小さい スーパー側は1億5000万円の賠償請…

№2238 CoCo壱番屋の危機対応

№2238 CoCo壱番屋の危機対応 CoCo壱番屋で異物混入の恐れがあった冷凍ビーフカツを廃棄物処理業者に処分を委託したところ,この業者が横流ししていたという事件は耳に新しい事件だ。 CoCo壱番屋の報告書によれば,横流し物件を壱番屋に勤務して…

№2233 会社クーデター

№2233 会社クーデター クーデターはこんな時に起こります 小さな会社ではクーデターが起こることも少なくない。今の社長の経営はおかしい,暴君だ,もうがまんできない,こうした会社幹部があるとき決意してクーデターを企てることがある。 事業承継した社長…

№2228 高価な機械が動かない

№2228 高価な機械が動かない 何千万円もする機械への投資は小さな企業であれば社運をかけるような思いとなる。初めて買った機械が故障続きとなるとかなりつらい。こうしたケースでは弁護士としては企業の悔しい思いの全てを裁判でぶつけることになる。 思い…

№2217 危機管理と契約書の役割

№2217 危機管理と契約書の役割 顧問先の幹部会向けの契約書の重要性を説明するレジメを作ってみました。 名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら → http://www.green-justice.com/business/index.htm 1. こんな場合どうする 甲社は部品Aを製造して…

№2216 製品不良と入荷禁止措置

№2216 製品不良と入荷禁止措置 不良が出た場合の危機管理はとても難しい 不良が出た場合の危機管理は製造業者にとっては極めて重要だ。すばやい原因調査は必須だ。顧客との対応も難しい。 契約内容がきわめて重要 不具合というとき,それは製品の契約上の仕…

№2212 弁護士の交渉術

№2212 弁護士の交渉術 弁護士は裁判ができます 弁護士は口が立つ,交渉がうまい,などとよく言われます。弁護士が交渉に長けているのは裁判を経験するからです。本気でけんかしたらどうなるかという「法的力関係」の目安をつけて,ギリギリの点の利益追求を…

№2209 突然注文を打ち切られた

長期にわたる契約を継続的取引関係といいます 製造業の世界ではお客様との「絆」がとても大切だ。自社のことをサービス業だと言い切る業者もいるくらいだ。この「絆」を前提に設備投資を行い,生産量に合わせて人も確保する。こうした継続的な取引関係を前提…

№2204 50:50の株式割合

№2204 50:50の株式割合 共同して起業しても仲間割れすることがあります 友人同士で起業する場合,株式の割合をイーブン,50:50にすることがある。しかし,最初は仲良くても途中で仲間割れすることも少なくない。経営をめぐるトラブルは思ったより根が深い…

№2203 データ偽装の法的責任

№2203 データ偽装の法的責任 本来の品質を欠いているにもかかわらずデータを偽装して出荷した場合の法的責任はどのようになっているだろうか。契約で求められた品質がなのであるから債務不履行責任を負うことになる。 経営者としては賠償はあるにしても最小…

№2201 共同経営が仲間割れしたら

№2201 共同経営が仲間割れしたら 「勝手に○○された」という問題 親子,兄弟,友達と共同経営から仲間割れして,訴訟に発展する例もある。こういう紛争で多いのが「勝手に○○された」という形だ。もめているときにはよく顧問弁護士と相談してものごとを進めな…

№2194 企業法務の必要性

№2194 企業法務の必要性 私たちは顧問料は「関係」に対する対価と考えています 企業を顧客とする以上,私たちは常に企業に役立つ存在であるかを問い続けなければならない。私たちは顧問期間が時間を経るごとに関係が強化され,法務の関与が必要と思われる事…

№2191 出荷品に欠陥があったとき

№2191 出荷品に欠陥があったとき 当事務所は製造業系の顧客が多い。 製造業は高品質,安価,大量,短納期で勝負する。高い信用から顧客はジャストインタイムでの納品を期待して発注してくる。長く製造業に従事してきて,ほとんどミスがないというのは驚くべ…

№2176 ダウンロード契約書をそのまま使ってはいけません

№2176 ダウンロード契約書をそのまま使ってはいけません 契約書はもちろん弁護士に見てもらった方がよい。インターネットで適当にダウンロードして契約書にしてしまうと思わぬところで抜け落ちがあったり,やらなくてよい権利放棄をしてしまうことがある。 …

№2168 取引の安全

№2168 取引の安全 相手方の権限確認は契約のイロハのイ 契約締結に当たっては,相手方に権限あるかどうかは重要な関心事だ。 特に国際取引の場合,日本のように法的な安定性に欠けるため,本当に相手に権限があるかどうかはとても気を遣う。相手が真に権利者…

№2161 注文者からの指図

№2161 注文者からの指図 請負では仕事完成は請負人に任されています 請負契約では注文者(施主)の思いを実現することになるが,それは最初の契約で決まる。どんな仕事の内容は最初に決まっていて,それをどんな方法で作るかは請負人の裁量に任されている。い…

№2148  元請けの指示と下請けの責任

№2148 元請けの指示と下請けの責任 最近、松江地裁で、幼稚園舎のくい打ち工事を請け負ったが、杭が支持層まで達していなかったため不同沈下が起こったという事例の判決が出た。 元請け側は支持層まで達するよう杭打ちするのは当然だろうと言い、下請側は図…

№2118 企業における法務部の価値

№2118 企業における法務部の価値 大企業になると法務部がかなり整備されており,企業によっては法務部長は取締役の中でもかなり重要な役割を果たす例がある。大企業が法務部を重視する理由は何だろうか。 契約関係の整備から始まる 最初の任務は契約関係の整…

№1988 「株」管理大丈夫ですか

№1988 「株」管理大丈夫ですか 中小企業は株式の管理がいいかげんであることが多い。 古い会社の多くは株券を発行することになっている。しかし、株券を発行していない会社は多い。株券は発行したけれど、どこに行ったか分からないという会社もある。株券は…

№1986 顧問契約の核心、どこに価値があるか

№1986 顧問契約の核心、どこに価値があるか 「経営コンサルティング」(ILO編)を読み返している。少々退屈だが得るものも多い。この本はかなり古い本だが「コンサルティング」という職業を多角的に分析している。 顧問契約はコンサルタントの一つと言ってよ…

№1984 卸売市場の契約関係

№1984 卸売市場の契約関係 弁護士はいろいろな事件を取り扱う。この点、継続的に特定の顧客に対応する税理士とは異なる。 卸売市場の案件も扱うのだが、古い慣習による取引であるため、理解するのがかなり難しい。取引プロセス、用語も独特であるため、聞き…

№1971 製造業の法務

№1971 製造業の法務 製造業は原材料を加工して製品を作り上げる産業だ。愛知県の場合、トヨタ自動車を頂点に裾野産業が広がっている。私の顧客はこの裾野部分、どちらかと言うと「裾」である会社だ。大企業は大企業独特の法務があって、ライバルが強すぎて当…

№1944 印鑑は法律上どれほど大切でしょうか

№1944 印鑑は法律上どれほど大切でしょうか 印鑑は中国、韓国、日本と東アジアでは重要な意味を持つ。古来、玉璽は帝王の証としてこれを所有することに重要な意味を持った。 法律上も印鑑は重要な意味を与えている。取引慣習から言っても「判を押したらおし…

№1937 法科大学院での法的文書教育

№1937 法科大学院での法文書教育 私は立命館大学法科大学院で法律文書の作成について教えている。法律文書と言えば、訴状や答弁書、準備書面といった裁判で使用される文書が代表的だ。そのほかにも内容証明郵便や契約書、法的鑑定にかかわる意見書など弁護士…

№1932 いやがらせ裁判

№1932 いやがらせ裁判 いやがらせのためだけにする裁判というのがある。 私が経験した事例でも、中途退社した社員に対していきなり高額な訴訟を提起した事例があった。単に顧客を奪ったというだけの裁判で何が違法なのかさっぱりわからなかった。尋問で相手…

№1929 自力救済は禁止

№1929 自力救済は禁止 自力救済は禁止されている。 権利があっても、無理矢理権利を実現する行為は禁止されている。法律用語では自力救済行為の禁止と表現される。 たとえば ■賃料を滞納している住民に対して、無理矢理引きづり出す行為は禁止だ。 ■夜逃げし…

№1926 法律はリスクをどのように考えているか

№1926 法律はリスクをどのように考えているか 契約あるところに対価有り 民事分野では取引には必ず対価があるというのを原則として考えている。贈与など無償で相手に渡すというのは例外的な現象だ。この「対価」という考え方は基本中の基本で、法学部や法科…

№1919 経営者はタフで無ければ

№1919 経営者はタフで無ければ 1. 暴風雨の中で「若葉」を守る いくら能力があっても外部環境が悪化することがある。売り上げはどんどん落ちていき、思うように伸びていかない。会社がいつ倒産するか分からない、経営者としては死にたくなるようなつらい状態…