名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

中小企業と融資、債務

№531 企業にとって破産は何を意味するか。

№531 企業にとって破産は何を意味するか。 依頼者に破産手続き説明するとき、簡単には「財産を集めて債権者に分配する手続きです。」と説明する。破産宣告は内外に事業の終了を宣言し、終了のけじめをつける手続きとなる。破産の本来の意味合いは、この「け…

№517 金融交渉アラカルト

№517 金融交渉アラカルト ちょっと前、金融交渉について考えるところがあって、まとめてみた。 弁護士は金融交渉という点ではシロウトだが、いろいろな情報を整理しているから役に立つんじゃないかな。 ■ 事業者の姿勢 どのような場合でも諦めないで食い下が…

№501 倒産企業の生き残り

№501 倒産企業の生き残り 最近、また倒産に関する相談が増え始めたような気がする。 昨日は自動車部品メーカーの相談を受けた。前から相談を受けているのだが、リスケやセーフティネットなどの活用を勧めていた。リスケも使い、セーフティネットも使い、急場…

№448 独占禁止法と両建て預金

№448 独占禁止法と両建て預金 ※ この記事は2019年7月19日に改訂しています。 「歩積両建て」って知っていますか? 貸付金の一部を定期預金にする場合がある。定期預金を担保(質入れ)に入れて、お金を借りる形式をとるのだ。同じように歩積み呼ばれるものも…

№447 社長が絶対にやってはいけないこと

№447 社長が絶対にやってはいけないこと 事業が苦しくなると、だんだん倫理が麻痺してくる。目先のお金のためなら何でもしてしまう。このぎりぎりの部分にその人の人となりが試されることになる。 (1) 社員からお金を借りてはならない。 社員を保証人にして…

№426 中小企業をめぐる金融の情勢

№426 中小企業をめぐる金融の情勢 ここのところ、金融に関する相談が多い。中小企業法務を実践する者としてはこの点について整理する必要がある。 相談の傾向はかなりはっきりしている。そこで、最近の状況を整理してみたい。 自分のために整理する文書なの…

№413 あなたは社長なのだから。あきらめないで。

№413 あなたは社長なのだから。あきらめないで。 私は顧問弁護士は必要なものだと思う。 日頃から、弁護士を選んでおき、本当に相談に乗れる関係を作っておく必要がある。 得意先や下請け関係に迷惑をかけたくない。今の内に事業をやめるかどうかの相談を受…

№401 中小企業の金融を考える。

№401 中小企業の金融を考える。 (中小企業と金融) 不況下にあっては金融が命綱だ。当面のキャッシュフローがショートすれば企業は立ち行かなくなる。しかし,そのための対応策は限られている。 ① 融資条件の変更,②追加融資,③条件変更を含んだ追加融資 さ…

№393 リレーションバンキングの理想

№393 リレーションバンキングの理想 (中小企業金融関係) 平成15年3月27日の金融審議会、金融分科会、第二部会での提出資料を改めて読んでみた。 これは「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」という題名の資料で、我が国のリレーションバンキ…

№389 金融円滑化法と中小企業運動(3)

№389 金融円滑化法と中小企業運動(3) 金融円滑化法は行政指導と情報公開によって実効性を担保しようとしている。 この情報公開の動きは金融の民主化という点からすればきわめて重要な政策だ。 法8条は金融期間に対し、行政庁への報告義務を求めている。こ…

№388 金融円滑化法と中小企業運動(2)

№388 金融円滑化法と中小企業運動(2) デンマーク、ドイツとまわって帰ってきました。いろいろ刺激的は内容でしたが、このブログお休みとなってしまいました。 中小企業団体は、各金融機関(保証協会なども含む)の相談体制の状況、公開された資料の検討な…

№387 あるメールのやりとり

№387 あるメールのやりとり (中小企業法務) 金融に関する相談は結局のところ、数値をいかに的確に示すことができるかである。多くは税理士さんに入ってもらっているのだから、それを活用するべきである。しかし、相談のほとんどは一人で悩み、データも作れな…

№386 中小企業家同友会金融アセス法と金融円滑化法 よく似ているぞ。

№386 中小企業家同友会金融アセス法と金融円滑化法 よく似ているぞ。 中小企業家同友会ではかねてより、「金融アセスメント法」を提案している。これは、この国会を通過した中小企業金融円滑化法とよく似ている。 この政策は米国(Community Reinvestment Adt…

№382 敗者の信用 破産しても融資を得られるか。

№382 敗者の信用 破産しても融資を得られるか。 破産など法的手続きを経ることについて、事業者がしばしば気にするのは、再度事業を起こしたとき、また借金ができるだろうかという点だ。 中小企業の場合、なかなか借金体質から抜けきらない。無借金経営は理…

№376 本当の意味での社長の信用

№376 本当の意味での社長の信用 一度、失敗した者は信用を失う。 しかし、一度失敗した者は本当の信用を獲得する。中小企業論研究の先生から、またお手紙をいただいた。「目からウロコが取れるような」内容なので紹介したい。 敗者復活のルールを我が国にも…

№373 正常なる運転資金

№373 正常なる運転資金 金融検査マニュアルを少しずつだが読み始めている。これは「宝の山」だ。 平成11年、不良債権処理などが問題なったことを契機に「金融検査の基本的考え方及び検査に際しての具体的着眼点等を整理したマニュアル(金融検査マニュアル)…

№372 社長の信用

№372 社長の信用 会社の資金繰りが悪化し、当面の資金繰りをどうするかと悩んでいる業者は多い。当面の資金をどうするか。3ヶ月後のキャッシュフローが危ない。こうした薄氷を踏む思いで日々の経営を乗り切っている事業者は少なくないだろう。 このとき、当…

№371 CRA(地域再投資法)とリーマンショック

№371 CRA(地域再投資法)とリーマンショック サブプライムローンは低所得者層に対し、無理に住宅ローンを貸し付けたところから始まった。リスクの高い債権が、いろいろな形で流通し、ある日急激に焦げ付いていった。このことをとらえて、CRAに敵対的、米国…

№369 CRA(地域社会再投資法)

№369 CRA(地域社会再投資法) 金融検査について最近勉強を始めている。 米国CRA(Community Reinvestment ACT)、地域再投資法特徴は銀行に対して社会的責任(responsibilities to the public )を求めている点だ。金融機関に対する監査は自己の支払能力や収…

№311 信用保証協会と直接交渉する。

№311 信用保証協会と直接交渉する。 愛知県の中小企業家同友会には「経営相談室」というのがあって、会員企業の専門的な相談を受け付けている。弁護士、税理士、社会保険労務士、コンサルなど専門家によって構成されている。この経営相談室の一環として、信…

№293 不況下の信用保証協会の任務について

№293 不況下の信用保証協会の任務について 信用保証協会は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的」としている。金融は長期、短期あるが問題になるのは短期借り入れの部類だろう。 一時的な資金ショートに対して融資で乗り切ることが妥当かどう…

№243 債務整理は罪悪?

№243 債務整理は罪悪? 債務整理は借金を切り捨てる作業であるため罪悪感が伴う。借りた金は返すという倫理は当然のことだ。事業再生で有名なセントラル総合研究所の本,「借りたカネは返すな!」などというショッキング題はキャッチとしてはいいかもしれな…

№172 信用保証協会

中小企業法務 №172 信用保証協会 中小企業法務を扱う上で,信用保証協会の位置づけは難しい。ちょっと考えがまとまらない。 単純に考えれば,信用保証協会が連帯保証人となるため,企業は融資を得られるということになるため,ありがたいということになる。 …

№171 銀行の説明責任

中小企業法務 №171 銀行の説明責任 銀行は顧客に対して説明責任を有する。この説明責任とは何のだろうか。 銀行法12条の2,第2項では「銀行は、内閣府令で定めるところにより、その業務に係る重要な事項の顧客への説明、その業務に関して取得した顧客に関す…

№169 独占禁止法と銀行融資

№169 独占禁止法と銀行融資 独占禁止法は適正な自由競争の保護を目的にした法律だ。中小企業と大企業とでは力関係が異なるため適正な取引価格を構成できない場合がある。本来の商品価値以下の取引が横行する。独占禁止法はそれを制限する方向で機能する。た…

№144 こんな理不尽な!

中小企業法務 №144 こんな理不尽な! ジェットコースターのような不況の中,中小企業があえいでいる。 中部地方は製造メーカーが多い。多くの中小企業が自動車産業に依存している。それぞれのメーカーが部品をつくりあげ,徐々に自動車になっていく。そうし…

№128 けっして自殺など考えてはいけない。

中小企業法務 №128 けっして自殺など考えてはいけない。 会社の組織とか,借金とかは実は非常にもろいものだ。中小企業では手形はどうしても落とさなければならない。それを落とせなければ次のキャッシュフローに支障がでるからだ。資金がショートすれば企業…