名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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中国,海外法務

№1169 中小企業中国進出のリスク

№1164 中小企業中国進出のリスク 人件費の上昇が続く中国だが、尖閣諸島問題が生じたことで、いよいよ中国はどうもだめだという雰囲気があらわになってきた感じがする。日経新聞など読んでいてもベトナムとか、インドネシア、インド、バングラディッシュと脱…

№1152 黄さんの会社が意味するもの、上海ローカル企業の実情(その2)

№1152 黄さんの会社が意味するもの、上海ローカル企業の実情(その2) → №1151からの続きです。 2. 黄さんの会社が意味するもの この会社は現在の中国、日本中国の関係が凝縮されており非常に興味深い。 労働集約型産業が国内で限界を感じ、インドネシアに「…

№1151 黄さんの工場、上海ローカル企業の実情(その1)

№1151 黄さんの工場、上海ローカル企業の実情(その1) 用があって上海に出かけていた。 今回のツアーではついでに上海のローカル企業も訪問し、多くの実りがあった。 1. 中国合板企業 最初に訪問したのは上海に工場を持つ合板工場だ。1999年から発足し、200…

№1126 チャイナリスク

№1126 チャイナリスク 尖閣諸島問題をきっかけに経営者の間では中国に対する評価がどんどん変化している。エコノミストなど経済雑誌がこぞって中国を特集している。その特徴はなんと言っても、「そのうち好転するだろう」と思っていた人たちも「冷え切ってし…

№1122 中国法下の債務不履行

№1122 中国法下の債務不履行 中国の遵法意識は十分とは言えない。契約があっても守らないなどということはめずらしいことではない。契約を守らない場合は日本であれば損害賠償請求ということになるが、中国ではどのような仕組みになっているだろうか。 中国…

№1106 中国土地収用と補償

№1106 中国土地収用と補償 中国進出果たしている企業より中国土地収用についての調査、交渉の依頼があったために現在、調査している。 中国では都市開発が急激に進んでいる。それに伴い各地で改めて都市計画が作り直され、立退問題が多発している。また、中…

№1099 中国都市問題 バブルかな?

№1099 中国都市問題 バブルかな? 私の事務所は中国東営市との交流を続けてている。黄河河口のこの都市は近年急激に都市開発が進められている。 黄河デルタにあって豊かな自然環境を持つこの地域は環境都市を目指して開発を進めている。この環境都市は中国の…

№1089 上海経済事情 (4) 「ローカル企業との共同の道」

№1089 上海経済事情 (4) 「ローカル企業との共同の道」 5. 成長するローカル企業 今回のツアーのもう一つの目的は長江デルタ及び周辺地域のローカル企業の成長ぶりだ。日系企業からの聞き取りによれば、かなり向上しているという。実際に日系企業から注文を…

№1088 上海経済事情 (3) 「 中小企業の事業展開のあり方」

№1088 上海経済事情 (3) 「中小企業の事業展開のあり方」 4. 中小企業の事業展開のあり方 もっとも、初期の誘致政策が無くなった状況下で、上海に進出するチャンスはあるかというと単純ではない。タイ、インドネシアなどと比較して尚中国を選択する余地はあ…

№1087 上海経済事情 (2) 「中小企業の役割」

№1087 上海経済事情 (2) 3. 中小企業の役割 そんな中で、部品メーカーの役割はあるだろうか。既に、上海周辺部は製造業は飽和していると言われている。実際、地方政府の誘致は終わったとも言われている。誘致の対象は製造業ではなく、先端技術の含んだ高付加…

№1086 上海経済事情 (1) 「上海の到達点」

№1086 上海経済事情 (1) 「上海の到達点」 1. はじめに 上海社会科学院の研究者雷先生と現在の上海の中小企業政策について意見交換をしてきた。主なテーマは長江デルタ及びその周辺部における中小企業の役割は何かという点にある。 2. 上海の到達点 ここ20年…

№1083 中国語で

№1083 中国語で 最近、二宮金次郎状態で中国語の勉強をしている。ちょっとの隙間でも中国語の勉強だ。 おかげで、ブログの記事を書く時間が圧迫されて困る。 ところで、明日から上海に行くので、ちょっとした挨拶文や、質問文を中国語で作ってみた。 中国語…

№1079 中国の仲裁制度

№1079 中国の仲裁制度 第三者によって特定の当事者間の紛争を解決する旨の合意を仲裁契約という。裁判の場合は合意があろうがなかろうが強制的に解決するが、仲裁は特定の機関、人によって解決することを合意する。 国際取引では各国の裁判制度に依拠して解…

№1064 中国土地収用

№1064 中国土地収用 国土をいかに設計するかは国の仕事だ。日本では国土法という法律があって我が国の国国土利用計画という土開発の基本政策を定めている。 中国は計画経済を旨とする社会主義経済の建前なので,本来国土計画もずいぶんやかましいはずなのだ…

№1057 中国裁判制度,どこで裁判をするか

№1057 中国裁判制度,どこで裁判をするか(管轄の重要性) 日本の裁判所には簡易裁判所,地方裁判所,高等裁判所,最高裁判所などがあります。原則3審制です。 中国の場合,最高人民法院,高級人民法院,中級人民法院,基層人民法院がありますが,原則2審制…

№1047 中国法令

№1047 中国法令 中国と日本とは違う。何でも日本の通りだと思うと大間違いだ。中国は巨大官僚国家で,国家権力に近い者ほど融通が利く仕組みにはなっている。それが法規に違反したとしても権力的な力関係の法が優先することがあると言われている。 このよう…

№994 中国での店舗を持たない小売りについて

№994 中国での店舗を持たない小売りについて 中国では店舗を持たない販売方法を直販方式と呼んでいる。中国では長く直販方式は特に規制のないまま放置されていたが、2005年に「連鎖販売禁止条例」、「直接販売管理条例」があいついで制定され、直接販売に規…

№912 中国人の遵法意識

№912 中国人の遵法意識 范云涛という人の「中国ビジネス法務戦略」という本を読んでいる。2004年発行というのだから少し古くなっているが、内容はかなりしっかりしている。中国人だがよほどよく日本のことを勉強したのだろう。 その中で中国人の法観念、契約…

№869  商品分類コードと中国税関

№869 商品分類コードと中国税関 中国進出企業が日本の本社から部品を調達することは、中国から見ると輸入になる。この輸入品についは商品分類コードを申告し、しかるべく関税を払わなければならない。ところが、この商品分類コードが細かくて間違えることが…

№853 中国、解雇は簡単かな?

№853 中国、解雇は簡単かな? 法律家向け雑誌「ビジネス法務」10月号は「失敗しないアジア」という特集になっている。今やアジアブームが進行し、中国、ベトナム、タイ、インドネシアへの中小企業、それも製造業の進出意欲はめざましいものがある。 どうも、…

№837 中国 裁判事例

№837 中国 裁判事例 中国では全ての権力は最高人民会議に所属している。裁判所と言えども例外ではないため、司法の独立という考えはない。地域の裁判所は行政機関の一部であり、最高人民法院に統制される。 こうした中央統制が強いことや、判例法という考え…

№799 中国土地払下げ手続

№799 中国土地払下げ手続 中国では土地の所有権は原則として認められていない。企業が土地の利用を図るためには土地使用権を取得しなければならない。 中国土地取得についてはこちらの記事もどうぞ。 →№754 中国土地取引、下駄を履いてみないと分か... 土地…

№754 中国土地取引、下駄を履いてみないと分からない。

№754 中国土地取引、下駄を履いてみないと分からない。 中国土地取引は日本と制度が根本的に違うので下駄を履いてみても分からないことがある。中国には土地の私的所有は認められていない。土地は国有か農民集団の所有となっており、私的所有は認められてい…

№742 許可の国、中国

№742 許可の国、中国 中国は何でも許可だ。土地の利用だって土地管理法というのがあって、国または農民集団しか所有できない。土地を使用するには土地使用権を有償で許可をもらう(都市部の国有土地使用権の払下及び譲渡に関する暫定条例)。 中国では一時、…

№706 中国M&A判例より

№706 中国M&A判例より ■ 相手が出資を拒んで困っている。 さて、事例は香港法人が中国法人と共同して合弁契約を締結した事例だ。香港法人は5回に分けて現金を出資する契約であり、中国法人は設備を含めた工場を現物出資する契約だった。香港法人は3回まで支…

№704 中国では契約書が大切だ

№704 中国では契約書が大切だ ■ 中国法務事情、独資会社が中心に 中国の海外資本による現地法人は外商投資企業と呼ばれている。合弁会社、合作会社、独資会社、外商投資株式会社の4種類がある。中国資本とのジョイントは合弁、合作会社が利用される。しかし…

№668 中国、履行遅滞判例

№668 中国、履行遅滞判例 中国弁護士と日本ブランドについて話していた。彼によると商品の質の高さに加えて「信用」が日本ブランドだという。確かに日本の業界は「納期」がとても大切にされるし、「支払い」も大切にされる。 中国企業とつきあう上で支払いを…

№667 中国の裁判所

№667 中国の裁判所 最近中国法務の勉強をし、一方で「史記」を読んでいる。こういっちゃなんだが、中国の官僚制は3000年前に確立し、いまも変わっていないような気がする。 判決における先例を判例を呼ぶことがある。弁護士はちょっとでも疑問がある事例につ…

№661 中国法体系

№661 中国法体系 中国はイデオロギーが違う。中国は社会主義国だ。 法律もそれを支える司法制度も違う。これはどっちが進んでいるかという問題ではなく、世の中には違う考え方もあるのだという割り切りの問題だろうと思う。 社会主義国中国の特徴をはっきり…

№658 我が事務所の海外進出

№658 我が事務所の海外進出 私の事務所は5年ほど前から中国進出を狙って準備を進めている。 渉外問題は結局のところ、中国国内に人間関係がどれだけあるかにかかっていることになるだろう。 友人が北京に法律事務所を設立したのをきっかけにそれを手伝ってお…