名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

№206 取締役の賠償責任

№206 取締役の賠償責任 取締役は会社に対して忠実義務がある。忠実義務と言っても広範なもので,何が忠実義務となるかは責任追及する者が特定し,立証しなければならない。忠実義務違反の中の一つに法令遵守義務というのがある。代表取締役が法に触れること…

№205 弁護士はつらいよ

№205 弁護士はつらいよ わたくし、生まれも育ちも名古屋です。蝮ヶ池で産湯を使い、姓は籠橋、名は隆明。人呼んでロイヤーの籠と発します。 弁護士,おまえ,なにほどか。弁護士家業はつらいもの。こちらが立てば,あちらは立たず,時に居直り,時にあやまり…

№204 平取締役の悲哀

№204 平取締役の悲哀 企業の業績が急激に悪化し,経営者の責任も問題になってきた。大企業の場合,銀行が取締役の連帯保証をとることはまずない。しかし,中小企業となると必ず連帯保証をとる。中小企業の不透明性(所有と経営の分離が不完全で,経営や財産の…

№203 取締役の責任

№203 取締役の責任 中小企業の社長は,会社は俺の物だという意識が強い。強いというか,全く疑っていない。しかし,社長は会社に「雇われている」存在でしかない。正確には準委任関係なのだが,使われている身であることに変わりない。ここのところを理解せ…

№202 経営判断の原則

№202 経営判断の原則 会社法の分野では会社の責任を取締役が負担することはない。これは所有と経営とが分離しているという状態である。しかし,取締役は会社に対して忠実義務があるから,会社に対しては責任を負う。 しかし,精勤追求するのは社長だから,社…

№201 信頼の原則

№201 信頼の原則 我々法律家の世界では「信頼の原則」という言葉がある。一定の行動を相手がとるであろうことを期待して動くことは許されるという考え方だ。例えば,交通事故では人は急には飛び出さないと信頼して良い場合がある。医師は看護婦が適切な行動…

№200 そういう弁護士に私はなりたい。

№200 そういう弁護士に私はなりたい。 ブログの記事が№200となりました。最初は中小企業家同友会で勉強したことを整理するために始めたブログですが,思わぬ広がりに驚いています。 私は「吾輩は猫である」が大好きで,浮き世とは一線を画して文明を批判した…

№199 地域主体の経済

№199 地域主体の経済 平成11年中小企業法が改正された。規制緩和,グローバリゼーション,景気の上向きといまとはかなり違った状況下ではあるが,二重構造からの脱却,中小企業の主体性が強調された。 これらは,余り機能しなかったようであるが,ひどい不況…

№198 内需の拡大と企業の生き残り

№198 内需の拡大と企業の生き残り 今や5割減産は当たり前になってしまいしました。これまでの経営上の問題をうやむやにしてきた企業はつけが回り,明確な理念を掲げて原則的な経営を続けてきた企業は何とか生き残っているという状態ではないでしょうか。生き…

番外 事務所を出るぞ。おう!

どうでもいい話 午後12時までには事務所を出るぞ。おう! さっき食べたしょうゆラーメン650円,餃子350円。店も平凡で,どうってことない普通のラーメンだった。でも,ばーさんがおもしろいから吉野家よりはましだった。

№197 静岡のある企業

№197 静岡のある企業 私が所属する愛知中小企業家同友会では毎年経営フォーラムを開催する。今年は私がたぶん分科会の一つを受け持つということで頭が痛い話になっている。 何となく,学園祭ののりみたいなところもあるが,参加者がみな経営者なので,実際に…

№196 地域に活路を見いだす

№196 地域に活路を見いだす 自動車,電気製品系の製造業は空前の不況を迎えている。そんな中,資金繰りに苦労しているわけだが,本当の要求は「仕事が欲しい」だ。 多くの企業は大企業一社に依存しすぎたとか,分散しているからまだ仕事が残っているとか,今…

№195 宇宙へのあこがれ

№195 宇宙へのあこがれ 私はいつも宇宙にあこがれている。 中学校の時に,「物理学はいかにして創られたか。」というアインシュタインの本を読んだ。相対性理論を一般市民向けにわかりやすく書いた名著だ。「場」が実在するとか,空間が曲がるとか,光の速度…

№194 中小企業のための活性化条例

№194 中小企業のための活性化条例 あちこちで融資はいいから,仕事をくれという話を聞く。稼働が50%とか,30%とか,信じられない数字まで落ち込むこともめずらしくなくなってしまった現状ではこの要求は切実だ。 こういう時代だからこそ,自治体は仕事を生…

№193 労働条件の変更,賃金を引き下げることができるか。

№193 労働条件の変更,賃金を引き下げることができるか。 雇用契約は契約だからいったん決めたらそう簡単には変えられない。契約だからというだけではなく,労働者にとって生活の糧だからそう簡単に変化させられたのでは労働者もたまったものではない。特に…

№192 中小企業の解雇は是か非か?

№192 中小企業の解雇は是か非か? 労働者にとって,解雇は死活問題だ。だから,解雇は単なる契約解消とは異なる側面がある。解雇する場合は「正当事由」が必要だ。 判例上,整理解雇については4要件が必要だ。この要件はけっこうきびしい。 ① 人員整理の必要…

№191 派遣先と直接雇用の関係

№191 派遣先と直接雇用の関係 派遣労働者の労使関係については余り知られていない。 正規雇用の申し入れ義務については,労働者派遣法40条の4が定めている。 製造業などの場合「就業の場所ごとの同一の業務」において,「派遣可能期間を超える期間」を超えて…

№190 食べ物の神様

№190 食べ物の神様 日本書紀や古事記は思ったよりおもしろい。 日本書紀には「保食神」(うけもちのかみ),古事記では「大気都比売神」(おおげつひめのかみ)として食べ物の神様が登場する。両神とも女神だ。 保食神(うけもちのかみ)についての日本書紀…

№189 企業コンプライアンス

№189 企業コンプライアンス 会社法の考えは企業の組織的自由度を増す一方で,自由度拡大の弊害を防止するために組織的には遵法体制を強化し,事後的な外部統制を強化することにした。コンプライアンスという考えもそれに伴って発達してきている。 企業のあり…

№188 派遣先に対する訴訟

№188 派遣先に対する訴訟 最近派遣労働者の相談を受けたので何かできないか考えている。労働者側の訴訟であるが,派遣社員の正当な利用方法を考える上では中小企業にとっても重要な問題だ。 ① 派遣元と労働者との関係は通常の雇用関係であるため通常の労働法…

№187 派遣労働の契約関係

№187 派遣労働の契約関係 派遣労働は労働者,派遣元,派遣先と3面の契約であるため普通にはない複雑さがある。これに労働法制という規制的法規が関係してくるため非常に難しい。 派遣の形態は原則として禁止されていた。これは口利きやなどが横行した過去の…

№186 商売のこつ(その2)

№186 商売のこつ(その2) 弁護士も事業である以上,商売のこつというのが必要だ。この「こつ」というのは結局のところ弁護士がどのように世間から支持を得てきたかことにつきるのだから,弁護士によって違う。 一般論だが,法律事務所の顧客は3つのタイプに…

№185 ああ,仕事なんて大嫌い。

№185 ああ,仕事なんて大嫌い。 弁護士は頭を使う商売だ。頭は簡単に動きそうだが,そうでもない。私のパソコンみたいに立ち上げに時間がかかる。パソコンは仕事をいやがってなかなか仕事に入ろうとしない。わかるよ,その気持ち。 一太郎が立ち上がっても,…